ロトンダ三昧

先日けなしまくった例の建築ガイドブックの掲載物件で、一般見学可のものをまだ三つご紹介していません。まず、国立通信制大学(Universidad Nacional de Educacion a Distancia)の図書館。大学の図書館は出入りが厳しいものですが、受付でお願いしたらあっさり入れてもらえました。

マドリードの中心地Gran Via(グラン・ビア)駅近くのバス停 から46番の市バスに乗って約20分。UNED(ウーエネエーデー)のBiblioteca(ビブリオテカ)に行きたいと、運転手に告げましょう。

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7階分の巨大な円形の空洞の周囲に閲覧・学習コーナーが配置されており、各階の書架も見渡しやすい。

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天井から穏やかな自然光が降り注ぐ中央のロトンダは、とても落ち着いた気分の良い空間です。でも、そのど真ん中に立ち尽くして上を見上げている見学者は、まさに見世物でしたね…^^; ちなみに、ここの7階のカフェテリアは、ロトンダ空間とは縁が切れた普通の空間なのですが、大きな窓からマドリード市街が広々と見渡せて、メニューの値段もお手頃で、休憩にちょうどよかったです。

もうひとつの図書館、Puerta de Toledo図書館は、その名のごとく市内南西「トレド門」の目の前で、同名の地下鉄駅を上がるとすぐですから、行くのも簡単ですし、市立図書館なので入場も自由。

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こちらも自然光の振り注ぐ円形の閲覧室が、3層構造になっています。中央の閲覧室は、同じく円形の空間の中で中に浮いたような形になっており、書架が周囲をめぐっています。

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マドリードの人々は読書好きらしく、街中でも本を読んでいる人を多数見かけましたし、市立の図書館も、平日の日中でしたが、若い人からお年寄りまで、賑わっていました。

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マドリードの南の玄関、国鉄のアトーチャ駅も、新駅舎の入り口がガラス張りのロトンダでした。

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遠くのほうに小さく見えている円筒形の建物が、上記のロトンダ式エントランスです。プラットホームも、自然光の入り方を上手く生かしているな、と思いました。フラットホームの入り口はセキュリティが厳しく、切符を持った乗客しか入れませんが、トレド行きの特急列車に乗るときにでも、ついでに見学すればよいでしょう。

これらラファエル・モネオ設計の増築部分は、特に3度も見学に行く程の建築とは思われず、「巨大温室みたいな旧駅舎のほうが印象的だったよね」とトレドで出会った建築家の方と同意。

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マドリードではここ数年、ロトンダ・ブームなのですか???これらの他、警備員さんにべったり見張られてて隠し撮りできなかったサンタンデール銀行も、自然光の差し込む綺麗なロトンダを中心としたオフィス配置でした。

あるいは伝統的な教会空間等で長年培ってきたDNA???

マドリードでの私の一押し、サンフランシスコ大聖堂(Basilica de San Francisco el Grande)も、ゴヤを始めとする画家の作品が自然光に浮かび上がる、強烈なロトンダ空間を持っています。

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こんな写真では、その迫力は1000分の1も伝わりません!是非、この空間の真ん中に立って、ご自身の目で見てください。王宮(Palacio Real)とトレド門の中間あたりに位置しており、どちらからも徒歩7-8分。地下鉄なら、La Latinaという駅から、西へ向かって徒歩7-8分。スペイン語のガイドツアー(30-40分)のみですが、「スペイン語の説明はわからないのです」と謝ると、上品な白髪のガイドさんが、「自由に見て回っていいよ」と、電灯のスイッチのつけ方を教えてくれました。でも頑張ってツアーについていけば、スルバラン等の作品の並ぶ、秘蔵の展示室にも案内してもらえます。一度「シエスタ」休館でフラレましたが、しつこく夕方以降にもう一度行って見て、本当に良かったです。