「風呂が無い」の住居論的考察
点滴作り置き・谷本整形外科医院長の家にバスタブが無いという涙の訴えが気になりました。
古いアパート等でシャワー無し室内風呂釜がついていたりする物件はあっても、シャワーをつけてバスタブをつけないという設計は日本ではかなり珍しいですよね。むしろ、「洋風の輸入住宅なんちゃう?」と即座に思ってしまいました。
【浴槽の歴史】 昭和30年 日本住宅公団各戸に木製風呂設置 昭和33年頃 ポリエチレン製・FRP製浴槽製造 昭和40年 ほうろう浴槽製造 昭和45年 バスユニットの販売本格化 昭和50年 FRP浴槽住宅公団の採用始め 昭和52年 ステンレス鋼板浴槽(出典:お風呂よもやま)
ほら、昔の公団住宅にだって昭和30年からバスタブはついていたのです。私の母がローン組んで実家の裏庭に風呂小屋を建てたのは、昭和50年代頃のことでしたが。
朝のシャワーだけで済ませる欧米人と異なり、日本人にとって浴槽は必須アイテムのはずです。私達一家もアメリカで極貧学生時代、経済的にかなり無理をしてでも浴槽つきの部屋に転居しました。今でも私は、連泊するホテルや民宿を決めるときには、バスタブがあるかどうかを必ず見ます。ましてや家に浴槽があるか否かは、私にとっては軽く聞き流せない大問題なのです。
しかし最近の日本にも、浴槽がついていないアパートがどこかにあったような気がします。どこだっただろう・・・
あ、ありました、府営住宅でした!
【注意事項 浴槽・風呂釜の設置について】 大阪府営住宅の浴槽・風呂釜は入居者個人で設置していただくことになっておりますが、一部の住宅で、大阪ガス(株)の浴槽・風呂釜のメンテナンスリース制度を利用していただくことができます。なお、入居される住戸に、既にリース制度の浴槽・風呂釜が設置されている場合、大阪ガス(株)とリース契約を行い、引き続きご利用くださいますようお願いします。リース制度では、浴槽(ステンレス)・風呂釜(シャワー付きバランス釜8号)の月額リース料金は2,782円(税込)程度です。(保証金10,000円が別途必要です。)浴室「有」の住宅でも、リース制度が利用できない住戸タイプもありますのでご注意ください。(出典:大阪府住宅供給公社 )
日本の賃貸住宅には、照明器具や冷蔵庫といった必需品はもちろん、ガスコンロやエアコンといった、本来その家の形状にあわせて選ぶべき設備機器がついていないことが、どうしても理解できません。エアコンなんか、付け外しの度に何万円も取られて、しかもガスが抜けてパワーが落ちるのに、なぜか皆さん後生大事に持ち運んで行かれますよね。それにしても、風呂釜・浴槽まで持ち込みってのは、いったいどういう理由によるものなのでしょうか?住宅の構造によっては、後付で浴槽を運び込むのって結構大変じゃありません?
そこまでするなら、いっそ便器も持ち込みにすればいいのにね。(便器が買えない世帯は排水口で済ませて・・・ってか?)
谷本医院のある三重県の県営住宅も、浴槽無しのようです。
今時、賃貸住宅を出るときに浴槽や風呂釜を持って出たら、民間では運び込む先がないですよね?転居のたびに、いちいち廃棄処分しなければならないのですか???
しかし、私のこの一連の調査も虚しく、谷本センセイは県営住宅にお住まいではありませんでした。ご近所の方の話では、どう見ても億単位の、豪華な一戸建てだそうです。もちろん持ち家でしょう。
溜息をつきつつお楽しみください。