絵画の盗作について
横浜で聞いてきた土産話を忘れないうちにもうひとつ。
私が行ってきた個展は、販売目的ではなく、純粋に作品を発表するためのサロン的なものだったため、プロの絵描きさん達が沢山集まってお見えでした。
ここでいう「プロ」の線をどこに引くかというのは大変難しい問題ですが、絵だけで生活しているか・美大を出ているかといった条件に関わらずある程度の大きさの公募展の会員になっている方、というふうに私は考えています。
会員というのは、審査なしで毎年公募展に出品されている方々で、ある程度の入選実績がないと会員にはなれません。
大学教員でも、どこかの学会に所属していないと研究者とは認められないというのが一般的です。
私も、サクラメント・ジャズ協会のジャムセッションにオーディションなしでいつでも参加できる「ゴールド会員」です。(←関係ないって!)
前置きはさておき、せっかく絵描きさんが沢山いらっしゃるので、私は懸案の質問をぶつけてみたのです。
「和田義彦氏の盗作疑惑についてどう思いますか?」と・・・
おおかたの意見では、あそこまでそっくりな絵を描いて発表することは通常はしないとのことでした。
ただ、日本の画家がヨーロッパの画家の作品をコピーすることは明治以来続いている伝統で、決して今に始まったことではないそうです。
中にはある画家のある時代の作品ばかりを忠実にコピーし続けて有名になった人もいたが、真似されたほうの画家の作風がどんどん変わっていったため、盗作と言われないで済んだ例もあるとか。
審査員に手を回して賞を取らせ、絵の値段を吊り上げるというのも、画商の世界では日常茶飯事。
「ホリエモンや村上ファンドが株価を吊り上げたのとなんら変わりはない、一種の詐欺」だそうです。
文化庁の役人もしくは審査員の中にも共謀者がいるのはほぼ疑いない。ただ、和田氏の絵がどういうものかも知らないで協力していたのだとしたら、ずいぶんマヌケな話だそうです。
大学教授だから偉い、東京芸大だから偉いなどという判断基準は、絵の世界では全く意味だと私は思います。
だいたい学長があれなんだから・・・
(建築と芸術学はいい人材を輩出していると思いますけど、あの二学科は筆記試験も難しいんだよね)。
私は油絵は描いたことがありませんが、某大手予備校の美術研究所に通っていたことはあります。
でもそこへ教えに来ていた東京芸大の先生があんまりバカなこと言うものだから、呆れて辞めたんです。
「デッサンはとにかく黒く塗れ」とか、「できるだけ不気味な題材を描け」とか・・・
(その先生は、ちぎれた耳とか血を流している鼻とかの絵がお好きなようでした)。
受験のための戦略だったかもしれませんが、そんな絵は描きたくない、そんなくだらない判断基準で合否が決まるのなら芸大の美術科も知れてると生意気な10代のDoodlin'は思ったのです。
(特待生で授業料タダだったから、今思えばもったいないことをしました)。
当時、東京芸大美術学部が女子を欲しがらないことはよく知られていましたが、共学の国立大学があからさまに差別するわけにはいかないので、性別を判断するために実技試験で自画像を描かされる。
だから試験前には女子は髪を切っていくこと、というのも有名な話でした。
実にくだらない話です。
でも有名大学卒だとハクがつき、政府が賞をくれ、絵の評価額が上がり、大学教授にも採用され、教授になるとさらによく絵が売れるという良い循環が生まれます。人間、賢く生きなければいけません(?)
和田氏の絵が盗作かどうかを裁判で判断できるものかどうかはわかりません。
ポピュラー音楽の世界では、メロディと歌詞には著作権が認められていますが、コード進行が全く同じでも問題にはなりません。もしコード進行を問題にしたら、ジャズの曲はほとんど盗作になります。
ショパンやベートーヴェンといったクラシックの曲がよくポピュラーにアレンジされて発売されていますが、著作権があったとしてもとっくに有効期間を過ぎているので問題になりません。
(プレスリーの遺族が著作権期間延長を小泉首相に嘆願してきたそうですが、そういうのアリか?)。
著作権の有効期間中(通常、作者の死後50年)だったら、本来はアマチュアバンド等がコピー演奏をしても著作権者に報告しなければならないのですが、日本はその辺はずいぶん甘いようです。
うっ、このブログでは音楽の話はしないのでした。失礼。
絵画における構図は、音楽で言えばメロディにあたると思いますが、いかがでしょうか?
そして「オリジナル」作者のアルベルト・スーギ氏はまだご存命中です。
要は、株は応援したい会社のものを、絵画は自分が気に入ったものを買ってください、ということですね。
(追記情報です)
デパート等で絵を買うと、実際に絵描きさんが受け取る金額の10倍近くの値になっているそうです。
画廊でも、半分くらいは画商さんのところに行ってしまうとか。
絵画を買うなら、直接、絵描きさんから買ったほうが良さそうですね。
私が行ってきた個展は、販売目的ではなく、純粋に作品を発表するためのサロン的なものだったため、プロの絵描きさん達が沢山集まってお見えでした。
ここでいう「プロ」の線をどこに引くかというのは大変難しい問題ですが、絵だけで生活しているか・美大を出ているかといった条件に関わらずある程度の大きさの公募展の会員になっている方、というふうに私は考えています。
会員というのは、審査なしで毎年公募展に出品されている方々で、ある程度の入選実績がないと会員にはなれません。
大学教員でも、どこかの学会に所属していないと研究者とは認められないというのが一般的です。
私も、サクラメント・ジャズ協会のジャムセッションにオーディションなしでいつでも参加できる「ゴールド会員」です。(←関係ないって!)
前置きはさておき、せっかく絵描きさんが沢山いらっしゃるので、私は懸案の質問をぶつけてみたのです。
「和田義彦氏の盗作疑惑についてどう思いますか?」と・・・
おおかたの意見では、あそこまでそっくりな絵を描いて発表することは通常はしないとのことでした。
ただ、日本の画家がヨーロッパの画家の作品をコピーすることは明治以来続いている伝統で、決して今に始まったことではないそうです。
中にはある画家のある時代の作品ばかりを忠実にコピーし続けて有名になった人もいたが、真似されたほうの画家の作風がどんどん変わっていったため、盗作と言われないで済んだ例もあるとか。
審査員に手を回して賞を取らせ、絵の値段を吊り上げるというのも、画商の世界では日常茶飯事。
「ホリエモンや村上ファンドが株価を吊り上げたのとなんら変わりはない、一種の詐欺」だそうです。
文化庁の役人もしくは審査員の中にも共謀者がいるのはほぼ疑いない。ただ、和田氏の絵がどういうものかも知らないで協力していたのだとしたら、ずいぶんマヌケな話だそうです。
大学教授だから偉い、東京芸大だから偉いなどという判断基準は、絵の世界では全く意味だと私は思います。
だいたい学長があれなんだから・・・
(建築と芸術学はいい人材を輩出していると思いますけど、あの二学科は筆記試験も難しいんだよね)。
私は油絵は描いたことがありませんが、某大手予備校の美術研究所に通っていたことはあります。
でもそこへ教えに来ていた東京芸大の先生があんまりバカなこと言うものだから、呆れて辞めたんです。
「デッサンはとにかく黒く塗れ」とか、「できるだけ不気味な題材を描け」とか・・・
(その先生は、ちぎれた耳とか血を流している鼻とかの絵がお好きなようでした)。
受験のための戦略だったかもしれませんが、そんな絵は描きたくない、そんなくだらない判断基準で合否が決まるのなら芸大の美術科も知れてると生意気な10代のDoodlin'は思ったのです。
(特待生で授業料タダだったから、今思えばもったいないことをしました)。
当時、東京芸大美術学部が女子を欲しがらないことはよく知られていましたが、共学の国立大学があからさまに差別するわけにはいかないので、性別を判断するために実技試験で自画像を描かされる。
だから試験前には女子は髪を切っていくこと、というのも有名な話でした。
実にくだらない話です。
でも有名大学卒だとハクがつき、政府が賞をくれ、絵の評価額が上がり、大学教授にも採用され、教授になるとさらによく絵が売れるという良い循環が生まれます。人間、賢く生きなければいけません(?)
和田氏の絵が盗作かどうかを裁判で判断できるものかどうかはわかりません。
ポピュラー音楽の世界では、メロディと歌詞には著作権が認められていますが、コード進行が全く同じでも問題にはなりません。もしコード進行を問題にしたら、ジャズの曲はほとんど盗作になります。
ショパンやベートーヴェンといったクラシックの曲がよくポピュラーにアレンジされて発売されていますが、著作権があったとしてもとっくに有効期間を過ぎているので問題になりません。
(プレスリーの遺族が著作権期間延長を小泉首相に嘆願してきたそうですが、そういうのアリか?)。
著作権の有効期間中(通常、作者の死後50年)だったら、本来はアマチュアバンド等がコピー演奏をしても著作権者に報告しなければならないのですが、日本はその辺はずいぶん甘いようです。
うっ、このブログでは音楽の話はしないのでした。失礼。
絵画における構図は、音楽で言えばメロディにあたると思いますが、いかがでしょうか?
そして「オリジナル」作者のアルベルト・スーギ氏はまだご存命中です。
要は、株は応援したい会社のものを、絵画は自分が気に入ったものを買ってください、ということですね。
(追記情報です)
デパート等で絵を買うと、実際に絵描きさんが受け取る金額の10倍近くの値になっているそうです。
画廊でも、半分くらいは画商さんのところに行ってしまうとか。
絵画を買うなら、直接、絵描きさんから買ったほうが良さそうですね。