北京うどん

試験の日の朝食にはうどんとバナナの組み合わせが良いと聞いたので、讃岐うどんのぶっかけ釜玉を食べさせて、息子をセンター試験に送り出しました。大事な試合等に行く途中の事故や忘れ物の前科には枚挙に暇がない人です。今回もまた忘れ物を届けに走らされる恐れがありますので、今日明日は「終日自宅待機」の気分です。

さてこちら、11月の北京、路上でいただいたおうどんの思い出話。

ホテルも商店街も、英語が通じるところはどこも欧米や日本並みの物価で、辟易していました。コーヒー一杯600円、お茶100グラム4200円など、「バブル期の東京か!?」というようなお値段。若い頃、「文化屋雑貨店」や「大中」の中国雑貨と共に育った私に言わせれば、北京の土産物店に並んでいる、同じようにガラクタ的なものが、何百円も何千円もするのはおかしい・・・

このまま帰ってなるものかと、最後の日の朝、自由時間は1時間ほどしかありませんでしたが、宿の人に自転車を借りて、胡同(フートン、狭い路地に町家が密集する地域)を走り回って見つけたのが、こちら。お昼時、地元民らしきオッサン達が、雪や雹の振る寒さの中、路上に並んだ臨時テーブルでうどんをかきこんでいました。

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メニューの名前も何もわかりませんので、店の人(写真の白衣の人)をつかまえ、他の客が食べているうどんを指差しながら「あれ、あれ」と目で訴えましたら、「あー、わかった、わかった。座っとけ」みたいな身振りをしますので、とりあえず、一人で食べている初老のオッサンの向かい側に合い席させてもらいました。

周囲を見回すと、誰も彼も同じうどんを食べています。どうやらメニューはこれしかないみたいで、必死に主張する必要もなかったようです(苦笑)

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巨大な小麦粉の塊を、これまた巨大な包丁でシュッシュッと削り落として蒸し上げたおうどん。香菜(パクチー)がたっぷり乗って、非常に私好みなお味でした。「テーブルの上の生ニンニクはいったい何だろう???」と悩んでおりますと、向かいのオッサンがそのうちのひとつ取り上げ、皮を剥いてガブリ。

「そのまんまかい!!」と驚きながらも、郷に入らば郷に従えですから、私も同じようにガブリ、とやってみますと、これが実にうどんに合うのです!

ニンニクを一口かじってうどんをすすり、またニンニクをひとくち・・・体中がホコホコと温まるような、冬の北京の路上昼食でした。

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さて、食べ終わって、お支払いです。今度は値段も聞かずに食べてしまいましたが、まさかこんな店でも「外国人価格」を言われるだろうか・・・? やや怯えつつ、支払いに行きますと、店のオヤジは仁王立ちになり、掌をがバッと広げて、「5元!」

5元・・・つまり70円・・・これですよ、これ、私が探していたのは!帰国便搭乗3時間前にしてやっとめぐり合えた素顔の中国(?)でした。

本当に美味しかったですよ・・・パクチーとニンニクたっぷりのスタミナうどん。センター2日目の朝は、これにしてあげようかしら。