山下洋輔ソロピアノ

今日は2時間半に渡る山下洋輔ロピアノ・コンサートを、なんと無料でたっぷり堪能して来ました。申し訳ないことに、先着1600名、職場の非公開イベントです。自由席だったのですが、ピアノ弾きの学生さんが早くから並んで席を取っておいてくださいました。『先生、前方左側、手の動きが見える席を確保しましたので、よろしければどうぞ』と携帯に突然メール。かなり感激しました。

その学生さんは周波数までわかる絶対音感の持ち主なので、激しい肘打ちが出た後など、「あっ、今、G弦とA弦が狂いました!」とか、マニアックな実況中継をしてくれます。おっしゃる通り、休憩時間中に調律師が登場して直してました。私の耳では、いったい何が起こったのか、気づきようもありませんでした。いや~、こういう楽しみ方もあるんですね~!しかしピアノ弾ける人ってのは凄いですね。あんな超早弾き複雑和音の演奏の一音一音が聴き取れてしまうとは…^^;

しかしジャズは初めて聴くという方なので、お礼に、今の即興演奏の原曲がいったい何だったのか、超入門解説付きで教えてあげました。今日は、お馴染みのラヴェル、バッハの他、エリントン、モンク、ディジー…そして「枯葉」その他の超有名スタンダードまで、チラホラと顔を出していました。初心者も含めた多様な客層を飽きさせない、山下さん一流のサービス精神でしょう。

40年前の山下トリオデビュー時の尖ったオリジナル曲のメドレーや、先月、5月30日に初演されたばかりだという、一柳慧書き下ろし、交響曲第4番「Jazz」の一部も、それぞれのエピソードの詳しい解説つきで聴かせてくれました。7月19日、日比谷野音の山下トリオ40周年記念再結成コンサートでは、亡くなった武田さんの代わりに菊地成孔氏が入るそうですね。

http://www.jamrice.co.jp/schedule/tix2009_40th/sch-090719_40th.htm
ううぅ、とっても行きたいけど、そんなに毎週東京へ行ってられないぃぃ~

それから一柳さんの交響曲は、来年(2010年)11月の関西フィル定期演奏会で全編演ってくださるそうです。今からカレンダーにマークだっ!!! (←来年のカレンダーはまだ無いが!)と、山下さんの営業戦略にしっかり引っかかっている私ですが・・・

先日京都のRAGで聴いてぶっとんだ山下洋輔NYトリオの最新アルバムからの曲も、ソロだとまた全く違った味わいでした。恐ろしいほどの完璧な演奏と美しい音に、クラシック弾きの学生さんも、「ペダルの使い方がお見事ですね!勉強になります!」と大喜び。

内輪だけでタダで聴いては罰が当たりそうな、本当に素晴らしいコンサートでした。

(これでもし帰りの電車に酒臭いオッサンらがいなかったら、最高に幸せな気分なんだろうけどなあ…ブツブツブツ)

6月28日と7月5日の2週連続、日曜日の朝のTV番組「題名の無い音楽会」で、山下洋輔40周年記念特集があるそうです。