南河内・国宝仏像ツアー

先週の週末は、国宝ツアーをしました。まず土曜日(18日)は南河内です。というのも、河内長野観心寺如意輪観音(国宝)の年に一度のご開扉と、葛井寺の千手観音、道明寺の十一面観音の月に一度のご開扉とが、土曜日に重なったからです。

某芸大の関係者で、京都・奈良の国宝、非公開仏像の類はほとんど見尽くしたという方が、「これらだけはまだ見ていない」とおっしゃって東京からわざわざお見えになったのがきっかけです。そういう人達もなかなか見に来ないほどのヘンピな場所、ってことですよね。スミマセン・・・でもここは元々は「近つ飛鳥」と言って、奈良の都よりも歴史の古い地域なんですよ~。難波宮と飛鳥を結んだという日本最古の官道(国道)も、我が家の近くを通っています。

さて、観心寺は案の定大変な混雑で、このお寺にこんなに人が来ているのは初めて見ました!残念ながら写真撮影はできませんでしたが、お堂(国宝)も如意輪観音(国宝)も素晴らしいものでした。以前は、33年に一度しか扉を開けていなかったそうです。そのためかわかりませんが、信じられないくらい良い状態で保存されていましたよ。

えらい人混みにもまれて疲れたので、道向いの茶店で一服。古~い農家風の建物のお座敷で、わらびもち(600円)をいただきました。

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わらびもちは、関東の人達がいうところのくず餅のことです。大変美味で、縁側から眺める山の風景もよく、建物も風情があり、大満足でした。その後、東京の人は田舎の山を見たら喜んでくださるだろうということで、わざわざ遠回りをして南河内グリーンロード(農道)経由で、藤井寺方面へ。

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千早赤坂村周辺では、こんな棚田の風景もあちこちで見られます。さらにこの辺りは、地主さんか山持ちさんのお屋敷なのか、妙に古くて立派な家が沢山。羽曳野市に入った辺りから、斜面に広がるブドウ畑の景観を楽しんでいただこうという企画でしたが、「ビニールハウスが見苦しい!あれは何とかならんのか?」とお気に召さなかったようで、見事に失敗。(カリフォルニアに来てくだされば、絶景なブドウ畑が見られたのに・・・)

道明寺(どうみょうじ)は尼寺で、菅原道真公の叔母様のいらっしゃったお寺らしいです。お隣に「土師ノ里」という駅がありますが、道真公のご実家は土師(はじ)家の末裔だそうです。で、こちらの十一面観音(国宝)は道真公お手彫りのだというお寺の説明だったのですが、仏像の目利きであるお客人の感想では「それはかなり怪しい」とのことでした。「いくら偉い学者だからといって、そう簡単に彫刻ができてたまるか」ということらしいです。本職さんの自負心炸裂!?

しかし、静かでこぎれいな、良い雰囲気のお寺でした。お隣の道明寺天満宮は、梅の名所でもあります。さて、最後の葛井寺(ふじいでら。地名は藤井寺)の千手観音には、本当に千本の腕があるそうです。京都の仁和寺で千手観音の特別公開があったとき、「こちらの観音様の手は実際に1000本はありませんが、葛井寺さんのはホンマに1000本です」と聞きました。しかし残念ながら、前に置いた電灯がまぶしすぎて、腕の数を数えられるほどにはよく見えませんでした。しかし確かに「これでもか」というほど腕が沢山あり、「よくこんなもの作ったな~」という感じでした。

とまあ、7年もこの辺りに住んでいるのに、初めて見るものばかりの、南河内国宝ツアーでした。
歩いていけるほど近いところにもうひとつ、まだ参拝していない国宝のお寺がありますが・・・

河内長野、道明寺、葛井寺藤井寺)いずれも近鉄南河内線~長野線の沿線ですが、観心寺は圧倒的に車が便利、道明寺は電車でも車でもOKですが、葛井寺は電車がお勧めです。寺から徒歩10分もかかる駐車場に、なんと1時間500円というこの地域では法外な料金を取られるからです。(駅の反対側のジャスコの駐車場ですら、2時間まで無料、1日最大600円ですから!)

京都の仁和寺さんですら1日500円なのに、南河内くんだりで、いったい何を考えているのでしょうか?腕の数で勝ったつもりなんでしょうか?葛井寺は、藤井寺駅から風情のある商店街を抜けて徒歩5分以内ですから、ぜひ電車で行きましょう。藤井寺駅周辺には、安くて美味しいお食事処も沢山あります。

さて、最後にクイズです。

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最初に行った観心寺の境内ですが、これはいったい何の建物でしょうか? 
ヒント:歴史的な事情があり、本来計画されていた形とは違う結果になっています。