大工と呼ばないで

1975年に全国的に大ヒットした「河内のオッサンの唄」、おぼえていらっしゃる方はいますか?私はこの「オッサン」の職業が何なのか、いまだによくわからないのです。(←33年間、悩み続け?)歌詞から分析してみましょう。

「おいカカア・・・(中略)・・・、裏の牛かて、もうちょっとよう働くど。」

裏のお宅に牛がいるということは、農家?

最近では河内地方も、もうほとんどが住宅地。南河内郡あたりの農村地帯までいかないと、牛がいるお宅はそうそう見かけませんが・・・

「明日は休みやんけ、ワレ。男はもっと飲まなあかんど。」

おっとと、休みがあるということは、農家ではなさそうですね。河内には海がありませんので、漁業関係という線はもとよりありえません。

仕事仲間と共通の定休日があり、しかもそれが昼間であり、前の晩に思い切り飲めるということは、映画版で川谷拓三が演じていたような「運転手」でもなさそうです。

「これから暑いのう、ワレ。仕事がエライのう、ワレ。」

暑いと仕事がエライということは、アウトドアの肉体労働系であることは間違いなさそうです。にわかに、この地域の建設現場でお世話になった方々の顔が数名、浮かんでは消え・・・建設業界と言えばまず筆頭の職業は大工さんですが、この「河内のオッサン」は大工さんではないような気がします。どんなに暑い時でもキチンと衿のついたシャツを着て折り目正しく仕事をする大工さんは、「仕事がエライのう」なんて言わない、私はそんなイメージを持っています。

大工さんには、なぜかギャンブル好きも少ないような気がします。休みの日も、競馬やパチンコに行く暇があったら勉強してる、みたいな・・・(違ったら教えてください)

では、造園工? 

これがもし京都でしたら「違います!」と断言できますが、これが河内ですと無いとも言えません。京都の庭師さん達は「酒を一升」の代わりに「おうす」を召し上がっていたりしますが・・・(後略)。

他に屋外がありうる仕事は、鳶、鉄筋、左官、タイル、解体、配管・・・あ、定休日のある肉体労働と言えば、農協、市場(いちば)関係もありそうだなあ。

しかし高度成長期の1970年代ならいざ知らず、今のご時勢では、肉体労働系の職業で、「働いて、働いて、銭ためて、蔵建てたろうやんけ」なんて景気の良い話はなかなか無いですよね。一部例外的に、銭湯前の路上にベンツが並ぶ不思議な地域が南河内にありますが・・・

あ、そんな「職業イメージと現実の乖離」も考慮するらば、「営業マン」という線も浮かんできますね。それなら、「暑い→エライ」と「頑張って働く→蔵が立つ」が両立しますね。

・・・悩みはつきません。


*******

ところで今朝また大阪で、しかも今度は河内地方で起きました、飲酒ひき逃げ・ひきずり事件。

逮捕された容疑者は「大工」として報道されていますが、他の大工さんに迷惑なのでやめてもらいたい。見習いに入って二年目は「工務店従業員」もしくは「自称大工」であり、「大工」ではないと思います。プレハブ下請け等の簡単な仕事をしている工務店ならそういった昇進も可能かもしれませんが、その場合もやはり、「大工」とは呼んでほしくありません)

しかも、41歳で「二年前に見習いに入った」???数ヶ月前に飲酒運転で捕まったときは、71歳の父親が罰金を肩代わりした? ずいぶん親不孝なことですね。 というか、親の顔が見たいというべき?