神護寺・仁和寺・大徳寺 withスルッとKANSAI

皆さんに宣伝していた古文化保存協会主催のの秋季特別拝観。最終日直前になりましたが、私も駆け込みでハシゴをしてきました。高雄の神護寺さんでは、本邦初公開の大師堂を見学に。息を呑むような紅葉の季節は、きっともうすぐですね。

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ここへは初めて公共交通機関で行きましたが、四条烏丸から1時間に1本の市バス8系統で約45分。意外と簡単でしたよ (^^)v 高雄のバス停(駐車場)からお寺まで徒歩で往復30分くらいは、かなりきつい石段なのですが、これは車で行ってもバスで行っても免れませんので、足腰に自信のある方向けのお寺さん。この他にも、京都駅からJRバスも1日何本かあるようですが、私はスルっと関西3日間乗り放題切符だったので、あくまでも市バスに固執

次は8系統を福王子で下車し、59系統に乗り換えて一駅(歩いても10分程度?)で、仁和寺さんへ。昔の紫宸殿(御所)を移築した講堂と豪奢な金堂を、ボランティア学生さんの説明を聞きながら見学。残念ながら特別公開中の堂の中はどこも写真撮影禁止で、監視も厳しいので、画像はありません。

講堂はさすがは元・紫宸殿だけあって、せいが80cm以上あろうかと見られるスゴイ梁がドドーン。御所風のあらわし天井も見られますし、背後の壁の仏画もかなり良い状態に保たれていました。特別公開を満喫した後、山門の脇にある御殿と庭園にも立ち寄ってきました。ここはいつも一般公開していて、有難いことに写真撮影もOKなのです。

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今、授業でまさに必要としている「寝殿造」(左)と「書院」(右)の写真が撮れて、大満足。ここは明治期の建築なのでやや軽んじていたのですが、さすがは御所な豪華ディティールが満載で、なぜいままでこのお寺さんを気にとめていなかったのか、自分の見る目の無さを深く反省しました。その傍らで「うわっ、この寺ヤベェ!」とか言いながらしきりに写真を撮っている修学旅行生達がおり、お若いのにずいぶんと良いものを見る目があるんだなあ、と感心しました。

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いつ見てもきれいにお庭をお手入れされているのは、やはり植藤(うえとう)さんのお仕事でしょうか。最後は、59系統を千本北大路で乗り換えて大徳寺さんへ。(イヤ~乗り放題はいいな!)5年ぶりに公開されている本坊と、塔頭・真珠庵を見学しました。本坊は、庫裡の巨大レンジフード(?)や丸太梁や、お見せしたいものが沢山あるのに撮影一切禁止 >_< またこちらの方丈前庭は、まさに禅庭の進化を凝縮したようなお庭で、石組も大きく迫力があります。

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あれれ、なぜ写真が・・・?(ダウンロードしないようお願いします)。ちなみに、ちゃんとお寺さん販売の写真集も購入しました。真珠庵は、壁に囲まれた珍しい前庭を持つお茶室や、村田珠光作の七五三の庭など、見所満載です。ただ、方丈庭園は、大事な松が枯れて植え替えたばかりだそうで、「?」なデザインですが・・・

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皆さん、このように敷居の部分に腰掛けるのはやめましょうね。国宝の建物が傷みます。

拝観終了時間までやや時間があったので、お隣の大仙院を久しぶりに訪問。来週の授業で使うため、方丈西側庭(ただの白砂ですが)を撮りたいという目論見がありました。ところが入ってみると、しばらく銅板葺だった屋根を元の杮葺きに戻すための大工事が行われており、方丈にはグルっと足場が回されていて、なんと西庭は全面的に仮説床で覆われていました! orz... でも、昨年から閑栖になられた尾関和尚様の相変わらずお元気なお姿も拝見できたので、良し。何度行っても私の顔も名前もお忘れで、毎回「お嬢さん・・・」とナンパしてくださる有難い和尚様です^^

この日はいつになく空いており、住職の大和和尚様にいろいろとお話をうかがうことができました。この方もとてもお話の面白い方なので、機会があれば是非お庭の説明や座禅指導を受けてみてください。秀吉が持っていこうとしたのを断った石のことなど、また新ネタを仕入れさせていただきました。工事中は「庭が見にくい」と苦情を言う観光客が多く、対応にご苦労されているともお聞きしました。庭が隠れないよう足場のパイプのスパンを飛ばすなど、かなりの苦心をされているのは明らかでしたが、それでも気に入らない人達がいるようです。寺は美術館ではないということが理解されないのですね。またご住職は、工事の足場で松などの樹木が弱らないようにということにも腐心されているようでした。工事以前に、方丈庭園の沙羅双樹はかなり弱ってしまったそうで、短く切り戻されていました。しかし年末には足場も取れて、来年早々には真新しい杮葺きに姿を変えた本坊がお目見えするそうです。残念ながら大仙院も最近では撮影禁止になってしまいましたが(大仙院さんまで、イヤ~ん! >o< )、大屋根修復の詳細な様子はコチラで見てくださいとのことです。



この1日京都を西から東へ横断するような大旅行も、スルっと関西3日間乗り放題切符でお得に。「額面よりも1400円分も余計に乗ったよ(^^)v」とウキウキ、「勝った」気分で家路につきました。ところが、ちょうど同じ切符を使っていた夫は、近鉄電車が事故で止まったために旅程が完遂できず、なんと一日あたりの価格分(約1700円)のほとんどを使わずに捨てることになっていました。ガーン!この切符は、事故で運休の場合にも、一区間でも使っていたら払い戻しできないそうなので要注意です。