理系学生と語る政治観

ここ数ヶ月、米国大統領選挙関係で、YouTubeに抱腹絶倒なビデオが毎日山ほど出ています。英語勉強しといて本当に良かったな~と思う今日この頃です。(文末にリンク載せときました)

「理系の英語」の授業で学生にも見せたくてたまらないけど、敢えて我慢して封印しています。来週(11月4日)の授業で、擬似投票をしてもらう予定なので、バイアスをかけてはいけないからです。

その代わり「Nature」のアメリカ大統領選挙特集記事を読むという宿題を出して、その他にもいろいろな最新ニュースを自力で調べてくるようにとお願いしました。

二十歳以上の学生に投票に行くかどうか聞いてみたところ、ほぼ半数と、日本の縮図でした。政治活動で名を馳せた大学にしては少ないようですが、時代もあり、全員理系ということもあり・・・

ちなみに投票率アメリカでも確か同じくらいだったと思います。(違ったら教えてね). オーストラリアは90%以上。投票に行かないと5000円程度の罰金が課せられるそうです。

フランス等のヨーロッパ諸国でも、確か80%くらいはあるのが常識だったと思います。(そう、日本とアメリカの投票率が異様に低いのです!)

タイでは、投票日の飲酒は禁止らしいです。日米も、そのくらいの真摯な姿勢がほしいですね。中国では、国の上層部は全員理系。中国人留学生に言わせると、「当たり前だ」そうです。

そういえばロシアの書記長・大統領も、理系出身者が多い。イタリアでは建築家の政治家が多いことは以前にも書いたと思います。

日本では、田中角栄・元首相が土木関係者で一級建築士だったくらいですか?アメリカ第3代大統領ジェファーソンは、建築家・農業研究者・発明家として高い業績を持っています。

実は理系人も、あまり政治に無関心ではいられないのです。進化論vs創造論の問題とか、生命工学研究の許可・不許可とか、環境問題とか、大きな争点だからです。(「研究は金の無駄」と言い切った知事さんの管轄下にある某府立大学にはご愁傷様ですが・・・)

それに、いざ有事のときに核ボタンを押すことができる暗証番号を持つのは、大統領と副大統領です。外交オンチ科学オンチな副大統領候補を皆が心配している理由は、そのあたりにもあるようです。(過去8年間もそんな方が大統領でしたけど、日本は大迷惑には大迷惑でした~っ (>o<))

アメリカの大統領にはいつも数名の「科学・技術アドバイザー」がついて助言を与えているのですが、民主党候補のそれはほぼ全員大学教授。共和党候補のアドバイザーは企業や団体のトップです。

大学教員は民主党(リベラル)に決まっている、というのがアメリカではほぼ常識化しています。同じ理由で、新聞社等の社員が若干左よりでもあまり不思議はないように思ったりもしますが・・・

こんなふうに、日本と違って二大政党の違いが鮮明なので、選挙になると国民の議論が盛り上がります。ボランティアの選挙運動も、頭を下げに来るのではなく、意見の違う人を論破・説得して回るのです。

これらのYou Tubeへのビデオ投稿も、もちろん一般市民のボランティア選挙運動の一環でしょう。ここまでしろとは言わないが、関心を持って候補のことを調べて、せめて投票くらいはしたいものです。

日本の投票率が国政選挙ですら50-60%程度だと言うと、中国人留学生が全員ビックリ仰天しました。そもそも選挙という制度のない彼らには、せっかくの権利を放棄することが信じられないようでした。

さて、日本人の理系学生さん達にどうしたら活発な議論をしてもらえるか、楽しみです・・・