中古住宅を選ぶには・・・

イメージ 1

3年前に入居したときの我が家の内装は、写真のような状態でした。

いかにも築20~30年の安っぽい建材のオンパレードで、お世辞にもお洒落とは言えませんが、
インテリアや設備は後からなんとでも直せます。

「落書きも汚れもキズもそのままでいいです!」
「不用品もどうぞ置いてってください!」
と言って値切って買いました。

この家を選んだ大きな理由は、
築年数と価格のわりに壁や床の傾きがなく、構造材がしっかりしていたことでした。

水準器まで持ち出すと気を悪くされる(と不動産屋が言う)ので、さりげなく「ビー玉転がし」や「5円玉吊るし」をして、床や壁が傾いていないかどうかをチェックしました。

また、床下や天井裏にももぐりこんで構造材を見ましたが、シロアリ被害も腐れもなくキレイでした。

もともと建売住宅だったのでヒノキ等の贅沢な構造材はほとんど使われていませんが、材料費を節約しながらも、いちおう基本は抑えて頑丈に作ってあるという印象でした。

新品ではもう手に入らないと言われている大きなマツ丸太の小屋梁も3本入っています。

30mmと薄めの木材で補強金物無しとはいえ、筋違もいちおう教科書通りに入っています。
(補強金物だけなら後から自分で取り付けられます)。

古い家なので、仕口加工も大工さんの手刻みです。
(専門的な話になるので理由は省きますが、私はこの点にはちょいとこだわっています)。

前の持ち主の奥様がきちんとしたタイプの方だったようで、掃除や風通し等の手入れが行き届いていたことも、家の構造が傷まなかった大きな要因だと思います。

いつも敷居を踏んで歩いているような躾の悪い人達の家だったら、もっとあちこち傾いていたはずです。

そんな理由からも、空き家ではなく、前の住人の顔が見える状態で購入するのが安心だと思います。

たとえ建築の専門知識がなくても、

①家の傷み具合についての常識的な目視
②ビー玉・5円玉等による簡単な計測、それに
③売主との会話・生活習慣の観察

だけでも結構いろんなことがわかるのではないかと思います。

建築士」を連れてきても木構造に詳しくないひとだったらほとんど意味がないです。
建築士達も「今さら聞けない!木造建築現場入門」を必死で読んでいるわけですから・・・)

大工さんでも人によってかなり意見が違う場合があります。
(同じ仕事を見て「ええ仕事してはるな~」と「こんなんしたら絶対あかん」という両極の意見を聞いたことも何度もあります!)

結局、「検査機関」の意見は参考程度にして、最終的には自己責任で判断しろ、ということですね。

余談ですが、古い町家リノベーション・ブームについて一言・・・

他所は知りませんが、京都の庶民の町家は一般に「ドケチ」に作ってあります。
構造材も極限まで小さい部材、短い部材で済むように上手くデザインされているのです。

だから、そういうことを知らないでうかつにリフォームすると取り返しのつかないことになる恐れがあります。

だいたい、都市の町家は「火事で焼けたらまた建て直せばええわ」という感覚で作ってあるのです。
何百年経ってもビクともしないようにガッシリと作られている田舎の(特に寒い地方の)民家と混同するととんでもないことになります。

な~どと偉そうに語ってないで、私の住宅購入の失敗談も白状します。

以下が、私が見落としていて「後の祭り!」となってしまった点です。

  ①交通便利な都会に住んでる人、うらやましい~
  (リフォームのモチベーションを高めるためにも、「一生住んでもいい」と思える場所を選ぶべし)

  ②前面道路4.7mは狭い
  (お向かいさんと近すぎて窓があけられません!)

  ③古い木造一戸建ては、冬は極寒、夏は2階が蒸し風呂
  (この厳しさは住んだ人にしかわかりません!)

  ④密集した狭小住宅なので、一階は昼間でも真っ暗
  (電気を消して見るべきでした!)

  ⑤狭くて急な階段は上り下りが超メンドー
  (特に今までマンション暮らしだった人は要注意!)

①と②はリフォームのしようがありません。

③は、仇のように断熱材を入れまくることでかなり改善されてきました。

ただし、もともと断熱材の入っていない古い家には壁に「通気層」がないので、断熱材の充填のしかたには工夫が必要です。

(うちの断熱もいろいろ考えてしましたが、本当に大丈夫かどうかは10年後を待ってみないとわかりません!)

そして今、④⑤と格闘しているところです。

インテリアをお洒落にするのはまだまだまだまだまだまだまだまだ先の話になりそうです・・・