落としどころ?(税金編)

海外からのクリスマスカードは嬉しいものですが、今年はイヤなものが混じっていました・・・

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IRS(Internal Revenue Service 米国歳入庁)だのINS(Immigration and Naturalization Service 米国移民局)だのから来る手紙に嬉しいものはありません。開けてみると、「何をいまさら!」の2005年度分の追徴課税命令でした。納税が遅れたことへの罰金やら延滞利息やらも含めて800USドル強の請求です。

ええーっ!!!

その年は「大学教師の一時謝金に関する二国間条約」によって課税されないと信じていたのです。違反したつもりのない人間に2年も経ってから通知してきて「利息」とはあんまりじゃありませんか?それになぜか、二国間条約のことは全く無視されていて、追徴課税の理由は、「控除申告すべき扶養家族の納税者番号が確認できないため」とあります。

米国の確定申告は本当に複雑で、特に外国人や在外者のケースはあまりにも複雑多岐にわたるので、歳入庁の窓口担当者も税理士も、全部の個々の事情に応じたルールは把握していないのが現状です。

「異議がある場合はお電話ください」と番号が書いてあります。そ、そんなややこしい話を電話で・・・それに米国と日本の時差って、ビジネスアワーが正反対なんです。「異議はお手紙でも受け付けます」とありますが、今から出したのでは納付期限に間に合わない。私が遠い異国に住んでいると知りながら、敵もなかなかワルよのぉ・・・

こんな大きなお役所に電話したら、自動応答たらい回しの挙句に延々と待たされるのは目に見えてる。それになぜか電話受付オペレータさんってアクセントの強い聞き取りにくい英語の人が多いんです。苦労してイヤな思いした挙句に税務署にたてついて目をつけられるくらいなら、さっさと仰せの通りに800ドル支払って済ませてしまったほうがいいかもしれない。貧乏学生時代にはいろいろお世話になったことだし、800ドルくらい米国に寄付してもいいかな・・・と、9割方諦めかけていました。

しかし、せっかく向こうは「扶養家族の納税者番号」のどうのこうのと言ってくれています。ダメモトで、それだけでもやってみるかと思い直し、朝7時前に国際電話してみました。米国東海岸の現地時間は夕方5時ギリギリのはずでしたが、電話は意外とアッサリつながり、案の定、南部系黒人女性とおぼしきオペレータさんが出てきました。現住所だの生年月日だの納税登録種別申告書番号だのを一通り確認された後、記入が漏れているという息子の納税者番号(社会保障番号, SSN)を告げると、「JUST A MOMENT・・・(ちょっと待ってね)」と端末のキーボード音と何やらうめき声が続くこと数十秒、「オーケー、あなたの税金は480ドルに減額されました」

へ? 電話一本で320ドル(約3万7千円)の減額。諦めなくて良かった!

数時間後、小切手を書こうとして書類を眺めていたら、人間ひとつ上手く行くと欲がでるもので、税金(元金)は減ったはずのに延滞利息が減っていないことが気になり始めました。しかし前の記事で交渉には「落としどころ」が大事だというコメントをいただいた直後です。数千円のために下手につついて藪からヘビが出てきても困るし・・・

と思いつつも、ついまた試しに電話をしてみてしまいました。もう向こうは夜の8時、「どうせ誰も出ないだろう」とタカをくくって・・・ところが出てきたのです、「GOOD EVENING!」と。なんや、米国歳入庁、夜も対応しとるんか、お役所なのに偉いのぉ~

ところが今度のオペレータさんは過去の納税記録だの入国年月日だのややこしいことを聞いてきます。おまけに前の人よりさらに強いアクセントで超早口、言ってることがサッパリわかりません。アメリカの確定申告は、何度もいいますが、本当にややこしい。申告書(フォーム)の種類だけで何十通りもあるくらいなんです。私も「こんなんでいいのかなぁ」と思いながらも毎年「えいやっ」と出していたもので、いろいろ問い詰められたら、にわかに不安になってきました。「あなたは控除を受ける資格がありません」なんてことになったらどうしよう?何か過去の間違いが見つかって、罰金がさらに高くなるなんてこともあるかもしれない・・・「うわぁ~これは本当にヤブヘビだったかも!」と脂汗が出てきましたが、後の祭り。今さら電話を切って逃げようにも、向こうは私の素性も連絡先もすべて掌握しています。

「わかりません、ゆっくり話していただけますか」をアホのように繰り返し(←根負けさせる作戦)、「税金を納めた後でないと利息の減額計算はできません」という向こうの理解しかねる結論に対し、「大変よくわかりました!ありがとうございました!仰せの金額で即、納税いたします!!!」とこれ以上ないほど従順に承諾することで、何とか大事には至らずに電話を切ることができました。

とにかく、320ドルだけでも節約できて助かったな~、フー^^;