伝統の庭園技術

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これらは一体何でしょう?

上は、松の木の美容整形です。というか正確に言うと骨格矯正ですね。京都近辺ではあまり見かけない技法なので、じっくり見たのは初めてでした。昔の人はどうやってここまで植物の生理を知り尽くすことができたのかと驚かされます。無理強いをしているようですが、実は植物の健康にとっても悪いことではないのです。

下は、竹と石による仮設オブジェです。(社)日本庭園協会主催の「伝統庭園技塾」に集まった若い庭職数十名が、クレーン無しで3日かけて組み上げ、終わるとまた皆で破壊して撤去していました。といっても、数百キロの石を持ち上げようとしたことがなければその凄さは分からない思いますが…

このわけわからんデザイン(失礼!)はともかくとして、そんな若い世代の職人さんがいるということが素晴らしいと思いました。「ヘルメットも安全柵も無しかよ~!」とアメリカ人が仰天していたので「怪我と弁当は自分持ちなんだよ~!」の庭職の伝統を話してやったら、さらに呆れ返ってました。

私はすでに部外者なので手は出さず、ビデオカメラ持ってウロチョロ。来年から再開する留学生向け講義の教材集めです。他人事だと思うとその高度な技に改めて感動しますが、自分でやると思うと難しいんだよね~ f^_^; 不器用な私にはやっぱり現場職人は無理でした・・・

この仕事に挫折してから協会にはずっと不義理をしていたので、コッソリ足音を忍ばせながら参加した今回の大会でしたが、温かく迎えくれた元・同業者の先輩方、本当に有り難うございました!

(9月15日~17日、早稲田大学大隈庭園にて)