デザイン後進国

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NHKクローズアップ現代で、遠まわしな言葉ながらもついに言ってくれちゃいました~!

「日本がデザイン後進国である」ということを。

正確に言うと、「戦後の日本が」でしょうけれど。

家電販売店等で白物家電コーナーを見て歩いているとクラクラとめまいがしそうになります。炊飯器なんて、仮面ライダーが並んでいるのかと思いましたよ(男の子はああいうのがお好み?)。電子レンジなども「ご飯あたため」「冷凍食品」「焼魚」などと事細かに書いたボタンが所狭しと並び、 人の知性を侮辱するにもほどがあります!なんで素直に温度ツマミと時間ツマミじゃ駄目なんですか?ここに名前が並んでいる料理以外はしちゃいけないんですか?

さらにタチが悪いのが「デザイン家電」。機能的には(たぶん品質的にも)おそらく1980円の輸入品と同程度のものが、モダニズム的なデザインにされただけで1万円以上になってたりします。しかも使いにくい。機能とコストに手が回らなくて、格好だけ考えてるうちはデザイン後進国なんです。

余程のお金持ちか「デザイナー」しか買わないような「デザイン事務用品」、アホっぽい。そんな路線を中途半端に目指して品質を落としてしまった無印良品さんは、確実にアホです。「高いもの=良いもの」くらいの判断力しかない国民性が、デザイン教育の欠如を物語っています。もっとレベルの低い世界では、「ヘンな色・形=デザイン」と勘違いしてる人達もいるみたい・・・「デザイナー建売住宅」なんとかしてください~目のやり場に困っています~^^;

ヨーロッパでは、普通のスーパーでも十分に趣味の良いデザインの日用品が普通価格で手に入ります。(イタリアの普通の家庭では、アルド・ロッシのコーヒーポットなんか使ってないですよ~)「カッコいいでしょ?」と言わんばかりに肩肘を張っていない、飽きのこないデザインが巷にあります。基本的な機能を大事に考え、安全性や耐久性も考えた上での、見た目も悪くないデザインです。

昔の日本人は、材料を無駄なく使いコストコトロールもしながら、美しいものを作ってきました。日本建築や日本庭園には、廃棄物リサイクルが芸術にまで昇華した世界があります。京都あたりの町家にも、お洒落はしても無駄なところにお金はかけない合理的ケチ精神が生きています。

建築家の設計によるメタル建材やシナ合板だらけのいかにも「ローコスト風」な住宅が、実は坪80万円もかかったと聞いて仰天したのは笑い話ですが、お施主様には実にお気の毒な話です。NHKさんも言ってましたが、IKEAのデザイナーは価格を抑えることを念頭に仕事をしているそうです。当たり前のことです!どうして、はるばるスウェーデンにまで頼らなければできなかったの・・・?

価格だけでなく、「安い服→格好悪い」という図式をも破壊してくれたUNIQLOにも感謝しています。「(品質的に)何もここまで安くしなくても・・・」と思う面もありますが、流行のないベーシックな服を下流主婦にも買える値段にしてくれたのは、貧乏人の救いの神!

「良いデザイン」には、コスト・コントロールと使い勝手の良さも含まれていなければなりません。