ビッグバンドは進化する

イメージ 1

ポールさんのビッグバンド、聴きに行った甲斐がありました!今回の出演2バンド、藤沢スイングジャズソサエティとボギーペースオーケストラは、ともにリズムセクションが非常にタイトだったので、終始気持ちよく盛り上がることができました。

ボギー・ペース・オーケストラは、初っ端からエフェクターバリバリのエレキギターが聴こえてきて仰天!視野が一気に広がるとともに、「さすがは東京!さすがは湘南!」と大いに恐れ入りました。唯一残念だったのは、同席したお客さん達が冷たい、いや、静かだったこと。2時間も一緒にいて同じテーブルの人に話しかけないなんて、大阪ではありえません・・・

アメリカでは商業的ビッグバンドは、社交ダンスの伴奏が多いので、どうしてもスイングに偏りがち。特にお客さんに高齢者が多いときは、安全のためにもミディアム~スローテンポ中心になります。ダンスフロアのないときは、アップテンポにしたり違うリズムのアレンジをして遊んでみたりしますが、それでもな~んとなく一定の枠から抜け出せない感じがします。プロの人気バンドや米軍のバンドも、演奏は超上手くてスリリングですが、どうしても似たりよったり。やっぱりダンスの伴奏と同じで、ライブ=消耗品として扱っていたように思います。

自分は古い音楽も好きですし、確かに流行を超えてよい曲も多いし、お客さんも喜んでくれていますが、それはいわば「懐メロ需要」みたいなもの。なんとはなしに劣等感・焦燥感を持っておりました。(私、カバー曲のCD売って大きな顔をしてられる人の神経って理解できないんです・・・)

ニューヨークあたりの大手ライブハウスなどですら、今時はもう観客のほとんどが観光客なので、無難でそれらしい古いジャズをやることが多く、「有名」バンドも実は大して面白くなかったりします。アメリカの地元民はもう誰もジャズなんか聴いてませんからね~懐メロの呪縛から抜け出そうともがき、芸人と芸術家の二極化に悩む米国ジャズ界の苦しみを横目に、ダンスの習慣もジャズ的文化背景もない日本の演奏家は、どこへでも自由に羽ばたけるようです。

ためらいなくロックンロールするビッグバンド、レトロ趣味でないビッグバンドは非常に新鮮でした。「ジャズバンドもまだまだ発展・進化する余地がある!」という驚きと希望を、ありがとう!