中仙道・奈良井宿

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中央本線塩尻に到着する少し手前、奈良井駅で途中下車してみました。13:20着を降りると次は15:48まで来ないので、ゆっくり観光するのにちょうど良い時間です。

奈良井宿は中仙道のド真ん中、全長約1キロの宿場町です。近隣の他の宿場町と違って駅徒歩3分なので、青春18の途中下車には非常に便利です。コインロッカーはありませんが、荷物は駅で預かっていただけます。(200円)

平日だったからかもしれませんが、高い山々に囲まれたシ~ンと静かな町でした。昭和49年頃から保存されているそうですが、皆さん普通に生活されています。それでも景観に気を使われているようで軽自動車が多いことに感心しました。(4m未満道路ばかりの地域でワンボックスやSUVを乗り回されている方々、ご参考に・・・)

イメージ 3 こちらの中村邸という元・櫛屋さんで、この町の建築保存運動のきっかけになったお宅です。

市が管理しており、一般公開されています(200円)。もう一軒、公開されているはずの「上問屋」さんは、予約が必要なのか、中には入れませんでした。街道沿いの家はほとんどこのような商家ですが、関西の町家と大きく違うのは、この店構えです。

開いているのか閉まっているのかわかりません。横に長い上障子の部分からわずかに中が見えるだけ。入口も小さい扉しか開かず、くぐって入ります。寒い地方ならではの造りなんですね、きっと。上から桟で押さえて吊り上げてある庇も特徴です。泥棒が上を歩いたら落ちる程度の強度だとか?どの家も、壁から梁が45cmほど突き出しており、その上にせり出した2階があります。このせり出し2階と庇が一連のアーケードになり、雨や雪の日でも傘無しで歩ける商店街だったそうです。

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中に入ってみると、意外に構造材が細い!聞けば、ここは豪雪地帯ではないのだそうです。関西の町家に比べると2階の天井も高く、「つし2階」というよりはほとんど普通の2階。道に面した2階が、客座敷と茶室になっていました。やはり2階のほうが暖かくて快適なのでしょうね。そんなわけで入口から奥までの「通り庭」ではなく、家の奥行きの中央にある台所だけが吹き抜けです。もちろんそこには囲炉裏があります。「風を通したい」京都・奈良あたりの町家と「暖をとりたい」信州の町家の大きな違いでしょうか。

一階の一番奥は主人の座敷です。奥座敷の上には天井裏があり、2階はありません。一番奥は屋根が低いためということもありますが、やはり快適な住空間には天井裏が必要なのです。表は客用の2階座敷が天井裏の役目を果たしており、構造的・室内環境的にも実に合理的なつくりです。

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奈良井宿にはうるし細工や木細工の店が多く、荷物の心配さえなければ土産物を買いたかったです。民宿や旅館もこの街道沿いに何軒も営業しており、1泊2食つき1万円前後からあるようです。今度は是非泊まって家の中の雰囲気を味わいたい・・・

奈良井駅の駅員さんも超・好みのタイプだったし!晩年の嘉さんみたいな方でした。山の稜線も、屋根と並行で綺麗でした。

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