三重はやっぱりラテン系
下りムーンライトながらに小田原から乗って600円節約しようというセコイ人は少なかったです(笑)。
ところが次の加茂行きまで時間が中途半端だったので、隣ホームからすぐに発車する紀勢線に衝動乗車。天気も良かったので、2006年度夏の青春18ポスターで見た鳥羽の参宮線に乗りに行くことにしました。伊勢・鳥羽周辺は近鉄電車のほうが便利なので、青春18でもなければJRで来る機会はありません。対向列車とすれ違うたびに何分も止まってしまう、スローテンポな単線の旅が始まりました。
電車に乗り合わせた知らない人が話しかけてきたり、この近辺まで来るとグッと「関西」感が高まります。でも 三重県人のノンビリ感と商売っ気の無さは健在。親切な方が、間違った電車の時刻を教えてくれました^^; いつまでも電車が来ないので別のお姉さんに聞いてみると「ああ、電車よく遅れるから・・・」とノホホンとしています。大阪では絶対に考えられないこの展開には、「ここは南イタリアか!?」と目眩を覚えるほどでした。
それにしても空いてるな~、JR参宮線。
また別の方が携帯で話しているのが聞こえます。
「すいませ~ん、昨日面接に行く予定だったんですけど~
用事で行けなかったんで~明日行ってもいいですか・・・」
用事で行けなかったんで~明日行ってもいいですか・・・」
ええーっ!!!面接アポもそんな調子でいいんですか???
それにしても伊勢市駅(JR、近鉄)周辺のサビれ方は衝撃的。ホームには売店も自販機もないし、駅員の姿もなし。なんと駅前のデパートまで閉店・休業していました。伊勢神宮って、日本屈指の観光地じゃなかったのですか・・・?外宮はこの駅から徒歩5分なんですよ・・・?。朝ご飯を探して駅周辺を歩きましたが、何にもありつけず・・・30分ほどウロウロしてホームに戻って来てみると、先ほどのノホホンお姉さんはまだ待合室の同じ位置に座っていました。
餘部鉄橋なども多分そうだったろうと思いますが、教訓:珍しい地形の路線は乗るより傍から見るべし
せめて窓下の海を撮ろうとカメラを構えていたのですが、ちょうどそこへ差し掛かったところで親切な車掌さんが「お客さん、ここですよ」と話しかけてくださったため、振り返って「ありがとうございます。綺麗ですね~」などとお愛想返事している間にその区間は通り過ぎてしまいました^^; というわけで、写真は無し。この写真はJRポスターからお借りしました。
同じ路線をそのまま折り返すのもつまらないので鳥羽で降り、愚息が以前に乗ったという鳥羽湾遊覧船に乗りに行きました。1350円・・・高っ!愚息から聞いていた値段の2倍です。そっか、奴は当時小学生だったから半額だったのね・・・
ま、せっかく来たので乗り、青い海と冷たい潮風を満喫。夢中になってカモメの写真を撮ってるあたりは小学生なみ?今度は市営の連絡船で島に渡ってみたいなぁ・・・
鳥羽は海女で有名な海産物の町です。漁師演歌の最高峰(?)鳥羽一郎と山川豊兄弟もこの町の出身。でも伊勢海老だの鮑だのを食べている時間もお金もないので、お昼ごはんには大好物の伊勢うどんを探すことにしました。「地元の人が行くとこ」を観光デパートの店員さんに聞くと、予想通り、線路の南側の食堂街が良いとのことでした。自分の勤め先を裏切って教えてくれるのが三重人です。
前回はここの寿司屋で「時価」の地雷を踏んでしまったので、今回は庶民的な食堂にこだわって探すと、ありました!ふるさと館といい、見た目はごく普通の地元の食堂でしたが、家族経営らしい店の人達の動きが非常にテキパキしています。「ここだ」と思って入って食べてみると、大当たりでした。写真の伊勢うどんも、適性価格の420円です。
煮魚料理を美味そうだな~と横目で眺めていたら、店のオジサンが小皿におすそ分けをくださいました!お造り定食、貝づくし定食などの定食シリーズも、伊勢海老の味噌汁までついてなんと1575円!他の人が食べているエビフライ定食を見ると、大きなエビが少なくとも5~6本は乗っています。驚いたことに、ランチタイムだけでなく、夜もこの値段なのだそうです。サザエのつぼ焼き315円、カキ焼き5個で1050円など、海女メニューもどれもこれも良心的価格。伊勢うどんも美味しく「駅前の観光食堂で妥協しなくて良かった!」と幸せを感じつついただきました。
帰りの乗換えの津駅周辺には何もなかったので、駅の立ち食いスタンド「汽笛亭」でまたまた伊勢うどん。こちらは250円、刻みネギたっぷりで美味しかったです。タレも甘めで、関西人好みだと思います。スタンドのおじさんが食べ方に口出ししてくるあたりも、故郷(西)に近づいていることを感じさせます。
亀山~加茂間はなかなか絶景な車窓だったのですが、寝不足もあり、残念ながら眠ってしまいました。加茂の駅周辺にも何もなく、乗換え待ちには辛い駅です。浄瑠璃時や岩船寺など名所旧跡は要タクシーな距離なので、そこは諦めて一路大阪へ。夜行で帰ったはずなのに、結局帰宅は夕方になりました。Doodlin'に青春18切符は、気違いに刃物と同じです。家族は「やっと夕飯が帰ってきた」と歓迎してくれました。
さて、今回の青春18旅行(片道1600円x2)を総括すると、
往路:大阪~奈良井~東京、約16時間、
608キロ(通常運賃9,030円)
608キロ(通常運賃9,030円)
復路:小田原~鳥羽~大阪、約18時間、
596キロ(通常運賃10,050円)
596キロ(通常運賃10,050円)
骨の隋とはいかないまでも、表面くらいはしゃぶったかな?うわっ、はっ、はっ、はっ、はっ・・・