絶対音感は必要か?

死にかけた3歳児を用水路に放置する親のニュースを聞いて暗澹たる気持ちの中、
幼児教材のことで盛り上がる皆さんのコメントを見て少しホッとしました。

子供にこんな能力をつけてあげたい!という気持ちは誰でも沢山ありますよね!
なかなか思い通りにはならないのでしょうけれど。

親が自分にできなかったことを子供にやらせようとするケースは多いようです。
自分も被害者でしたが、学歴コンプレックスの親が子供に「勉強しろしろ」言うのなんか最悪ですね。

(アンタの遺伝子もらってんだから無理に決まってんだろが!)

発達生理学だかなんだかのセンセイがおっしゃっていましたが、
小学生くらいまでは、身体を動かす技術(音楽も含む)が伸びる時期だそうです。

男女差はありますが、頑張る力や持久力などがつくのが、中学生くらいから。
そう考えると、小学生に受験勉強させるなんて本当は良くないんじゃないのかな・・・

絶対音感」などというものは、幼児期につけないと無理らしいです。
これ、密かなブームみたいですね。

私は絶対音感がないので偉そうに言えないのですが、実はなくて困ったことはありません。
絶対音感のある人に出会うと「負けた!」とコンプレックス持ってしまうくらい(笑)。

絶対音感がないと不利になるほど聴音の試験が難しいのは日本の音大くらいだと思います。
(もしかしたら、韓国や中国あたりも同じ状況かもしれませんが)。

アメリカでは、あまり幼少時から楽器やソルフェージュを習うという習慣がないので、
プロの演奏家や音大の教授でも絶対音感の無い人がほとんどです。

でも、ボストン交響楽団シカゴ交響楽団クリーブランド交響楽団もみんな立派にやってるでしょう?

音叉がなくてもチューニングができるってのは便利だな~とか、
ピアノに音出ししてもらわずにアカペラが歌い出せたら格好いいな~とかは思いますがね・・・

逆に、絶対音感があって苦労しているという話もよく聞きました。
たとえば、絶対音感のある人は上手く転調できないことがあるそうです。

たとえば、カラオケなどで人が曲を転調して歌っているのを聞くと、頭が痛くなってしまうとか。
うーん、ジャズなどでは使いにくい人材かもしれません・・・

それから、同じ音でも、国によってチューニングする周波数が微妙に違ったりするので、
絶対音感のある人には、その微妙な違いが気持ち悪くて耐えられないこともあるそうです。

絶対音感を持つ方のこんな苦労話もあります。
絶対音感に限らず、あまり耳の研ぎ澄まされた人は、現代社会ではかなり暮らしにくそうですね。

私が楽理を習った先生(コンクールで全米一位にもなっているピアニスト)はとても音に敏感で、
外が騒々しいと「集中できない!今日は授業終わりっ!」と怒って帰ってしまったりしました。

早期教育といえば、アメリカの小中学校では、日本のような厳しい部活動がありません。
そのくらいまでは、いろいろなスポーツをかじり、遊び半分でやってます。

でもあれだけカレッジ・スポーツやプロ・スポーツが強いのはなぜ???

やっぱり、楽しみながら本人の好きなようにやらせるのが一番なのかな~
成長期にあまり筋トレをすると背が伸びなくなるという話も聞きますしね。

アメリカ人と言えば、彼等に「アナタ絶対音感ある?」と聞いたとき、
一番多く返って来る答えは何だと思いますか?

「ときどき(Sometimes)」です。

そういうのは「絶対」とは言わんのじゃーっ!!!

でも、こういった何事にもポジティブな考え方が、彼等の最大の強みかもしれませんネ!