餘部鉄橋と眼下の町並

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先週の金曜日から三日間、餘部→城崎→丹後半島→伊根→天橋立→京都時代祭と、
近畿日本海側ドライブツアーに出ておりました。

第一日めは、今年限りでその美しい姿を消してしまう餘部(あまるべ)鉄橋です。

京都市内に滞在中のジム先生(友人)を拾って10時に出発、国道9号線を一路北西へ。

途中の福知山で「どこでもいいから昼メシ!」と車を停めた9号線沿い広峯町の中華料理店鳳凰閣は、
筋金入りの本格中華で、餃子の王将なみにお安く、思いがけない大当たりでした。

スタッフは全員中国人で、特に皮の分厚い煮餃子は、日本の店ではなかなか出会えない逸品。
ちょうど中国に行っている息子のことを思い出しながら、美味しくいただきました。

約4時間で着く予定が9号線の渋滞で大幅に遅れ、餘部まであと50kmほどの地点でもう午後3時。
おまけに山の中は道路工事の片側通行だらけで思うように進みません。

皆、疲れてきた様子なので、「餘部はやめて城崎温泉に直行しようよ・・・」と提案しましたが、
主人は聞かず、強引にかっとばして鉄橋の上を電車が通過する3時半に間に合わせてくれました。

イメージ 2結果は、行ってみて本当に良かったです!
(さすがは旦那、私の習性を熟知している?)

単線の鉄橋がそびえ立つ姿もさることながら、
海辺もあり、漁村の面影を残す町並みもあり、

鉄道ファンでなくても楽しめる、
とても味わい深い場所でした。

ジム先生も喜んで写真を撮りまくっているし、
娘もすっかり楽しくなってはしゃいでいます。
(3歳にしては渋い趣味だな~)

イメージ 3バスツアーの団体さんの後をついて行くと、
鉄橋が見えるベストスポットへもあっさり到着。

山の中腹の展望所には、
三脚を立てて待機するカメラマンがズラーリ。

大きな望遠レンズ付一眼レフを抱えて
400mの山道を何度も駆けて上り降りしている、
健脚なオジサンもいました。

上下各線とも1~2時間に一本しかない電車を
撮ろうと狙って待っているようでした。

イメージ 4この週末は「全国鉄橋サミット」があり、
鉄橋を持つ全国の市町村長の会議や、
橋梁を扱う土木構造家の会議があったようです。

それにあわせて特別列車が運行されるためか、
翌21日は展望所も時間入れ替え制になるとのこと。

今日来ておいてよかった!と思いました。
m3336kさん、土日は混むとの情報をありがとう!)

来年早々、コンクリート橋の工事が始まります。
この鉄橋の美しい姿も今年限りなのです。

1986年、列車がこの鉄橋から転落した大事故以来、
風速が20mを超えると運行を停止するようになりました。

新橋の建設は、
安全とスムーズな運行のため苦渋の決断です。

でも長い間、この地域の名所だった餘部鉄橋
無くなってしまったら、この町も寂しくなるでしょう。


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思いがけず面白かったのが、橋の下に広がる町並です。

山が海に迫る狭い土地に、ギッシリと家が立ち並んでいます。
漁村では共同作業が多いので、家が密集していることが有利にもなります。

自然の地形に合わせて道や家を造らざるをえないので、家の向きが不規則になります。
典型的な湾岸の漁村の風景です。

真っ黒な釉薬瓦や、縦桟で押さえた板壁も、この地方ではよく見かけました。
海がすぐそこだから防火構造の必要がないのかな~?

また漁村に関する文献を引っ張り出して調べてみようかな、と思いました。