そごう心斎橋本店に乾杯!

帰国して久々に大阪の町を訪れ、そごう大阪店は何故いつもお休みなのかな~?と思っていましたが、
なんと2000年に倒産して閉店していたのでした。ショック!

そごうのシャッターが下りたままの御堂筋はなんとなくションボリしていました。

そして2005年9月、再生し、新築の建物で、そごう心斎橋本店として再オープンする時には、
市営地下鉄御堂筋線の駅が宮沢りえの粋な着物姿の広告でいっぱいになりました。

イメージ 5「お遊びに、お買物に」
というコンセプトが
昭和10年の旧そごう開店時
の焼き直しとはつゆ知らず、
「斬新でいい!」
と感心していた私も随分なボケです(苦笑)。

ちょうど戦前の「ゆとり」が恋しくなるような
そんな世の中だったのでしょう。

再開店から一周年を過ぎ、
私も先日初めて、
新生そごう心斎橋本店に行ってきたのでした。
(遅ぇよ)


イメージ 1日頃近くのJUSCOかイズミヤ、足を伸ばしても
せいぜい阿倍野近鉄止まりの私には、
ここ心斎橋はまるで別世界の品揃え。

そごうは、まるでこの町を集約したようでした。

阿倍野にないものを探しに行った訳ですが、
地下鉄往復460円の価値は十分にありました。
(それ以上の散財の恐れもありますが・・・)

売り場面積だけに拘らないゆとりの空間は、
とても居心地の良いものでした。

最上階には劇場を備え、
買物だけではないことをアピールしています。

屋上庭園もお決まりの「遊園地」ではなく、
大人がフラッと休憩に立ち寄れる感じです。

1階または駐車場まで荷物を運んでくれる
ポーターサービスなど、
親切な試みも好感が持てます。

地下鉄の駅からも
非常にわかりやすく入りやすい入口です。


一部の店員に自店のサービスについての知識が十分に行き渡っていない問題も見受けられましたが、
(ちゃんと正社員にして研修したってやー)、総合的には非常に好印象でした。

イメージ 2 11階~14階は、吹き抜けを囲み、
「商店街」風の町になっています。

昔ながらの商店で伝統的な商品を買うといった習慣のない人にも、気軽に親しめそうです。

京都では閉店してしまった「丸善」がここにあったのは少々感動でした。

占い師がいたり、露店商が出ていたり、
まさに地元の商店筋が立体化した感じです。
(寅さんみたいなテキヤも呼んだら完璧?)

「テーマパークのようだ」と言ってしまえばそれまでですが・・・

イメージ 3週替わりか月替わりかで、
職人さんが座って作業をしている
伝統工藝の店もありました。
平日の昼間にしてこの人だかりです。

セール会場も「オバサンの狂気」とは無縁。
ホテルの大宴会場といった雰囲気の
広々ゆったりした静かな空間で、
落ち着いてお値打ち品を物色できます。

丸福珈琲店などを始め、
大阪の老舗もいろいろ出店しているようです。

ここだけで一日楽しめてしまいそうです。


イメージ 4以前ここに建っていた「そごう大阪店」は
村野藤吾作の名建築だったので、
解体にはずいぶんな反対もあったようです。

建築的には、それも十分にわかります。

しかし閉店した頃の大阪店は、
当初に意図された外観とは違っていました。

売り場的にも、特にどうといったことはなく、
記憶に残る楽しさはありませんでした。

今、一消費者として訪れ、
「新築して良くなった!」
と喜んでいる私は堕落したのでしょうか?


一度は破綻した会社がここまで元気に再生できたことに、心から拍手を送りたい気持ちです。