プロに頼めば大丈夫?

「大事なところはプロの大工さんに頼みたい」という考えから、何度か工務店やリフォーム業者に現場見積もりに来てもらいました。結局、まだどこにも頼んでいないのは、予算や見積金額のためばかりではなさそうです。

 今日も、素人には難しいと思われた工事がいくつかあったため、「ローコストに応じてくれそう」と目をつけた工務店の社長さん(一級建築士)と出入りの大工さんの二人に現場(我が家)を見に来ていただきました。
①柱をはずす工事(開口部変更) ←梁を持ち上げておくジャッキアップなど、自分ではできない
②テラスドアと窓の付け替え(断熱・採光のため) ←外壁を触ると上手く水じまいできない恐れあり
③階段のつけかえ(傾斜を緩く、オープン階段に) ←しっかり作らないと危険だし、工期が長引くと生活できない

 しかし結論として出てきた提案は、
①梁の補強にH=180の補強梁をつけましょう →それじゃ天井が18cmも下がってしまうじゃないですか!
②外壁は雨漏りの恐れがあるから触らないほうがいい。今ある枠のサイズと同じか、一回り小さい窓をつけましょう。断熱窓より、普通のサッシで二重窓にしましょう →それならもう自分でやってます!
③ハイ、見積もりしてきます →蹴込・踏面のサイズも材質の希望も聞かずに?

と、いずれも満足のいかないものでした。こっちも設計士のはしくれ、業界に出てくる新製品はいつもチェックしていますから、梁せい(梁の高さ)を数ミリしか変えずに曲げ応力やせん断応力を2~3割アップできるという炭素繊維補強材や、比較的安価にサイズオーダーできるペアガラス樹脂サッシなんかの相談にも乗ってもらえるかと期待していたのです。もちろん階段のデザインにも、いろいろ工夫したいことがあります。でもこちらが用意した図面を座って見ることもなく、二人は帰ってしまいました。

もちろん、この工務店さんが悪いわけではありません。
●プロは万一の失敗があってはなりませんから、慣れている方法しか勧めてくれません。リフォーム物件は家の現況が千差万別ですから、特に難しい。
●付き合いの深い特定メーカーの製品を勧めるのも、コスト削減のためには大事なことです。
●仕上げはDIYでやりますなどという客は、ややこしいだけで儲からない客。時間を割いて関わりたくないの気持ちは、元同業者としてよ~くわかります。

しかし、よくあるやり方で安上がりにさっさと済ませてもらう単純な仕事なら、工務店さんに入ってもらうより、近所の大工さんに手間賃で頼んだほうがお互いのためというものでしょう。

最悪の場合、お金を出して頼んだ施工業者が、素人以下の仕事をする場合もあります。
(いずれここで懺悔しますが、自分のいた施工会社でも随分ひどいことを幾度となくしてきました)。

先日、私が大工学校でお世話になったベテラン大工さんに「階段を付け替えたい」という話をしていたら「自分でしはったらええやないですか」とあっさり言われました。彼の店は、いつも上等な仕事をされているちょっと敷居の高い工務店です(新築するならココに頼む、と夢見ているのですが・・・)。

階段も窓も自分でつけようかしら・・・と思い始めたDoodlin'です。