京都・神社のすすめ

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誤解を招きそうなタイトルですが、文化財として価値ある古~い神社の話です(ホッ)。

以前から不思議に思っていましたが、京都や奈良などの観光地では、お寺は拝観料を取るところが多いのに、神社はすべて無料です。ユネスコ世界遺産や国宝級の文化財が揃っているにもかかわらず、です。

やはり天皇家にかかわりのあった宗教ということで、お金を取りにくいのでしょうか?
宮内庁管理の桂離宮修学院離宮等も、あれだけ維持費がかかるのに、見学はすべて無料ですよね。
(興味ない人の税金を使うよりも、素直に入場料を徴収したらいいのに、と思いますが・・・)

上賀茂神社の建物群などは、金閣にも銀閣にも京都御所にもひけをとらない美しさだと思います。
そして、神社を囲むの森の奥深さ。澄んだ遣り水の流れにふりそそぐ木漏れ日。

こんなところで朝の散歩ができる近所の方々は本当に幸せです。
大阪梅田ガーデンシティの「新・鎮守の森」などとは根本的に違う、本物の美しさと風格があります。

高名な神社の結婚式も、ウェディング・プロデュース会社等を介さずに直接頼めば、驚くほど安いです。
あまり「古都ウェディング・ブーム」の人々に押しかけてもらいたくはありませんが・・・。

京都の下鴨神社の修復関係の仕事を手伝ったときに初めて知ったのですが、歴史ある古い神社さんも、文化財の修復維持予算にはお困りの様子でした。
(護国系の神社さんと違って、古い神社さんには○○系団体の後ろ盾がないですから・・・)。

京都の高名な神社ですらそうなのですから、一般の神社さんでは、神主さんはたいてい他に生業をもっていらっしゃいます。とても専業では暮らせないそうです。

私の友人の神主も塾経営をしていましたが、そのうち、なんと同級生の僧侶と組んで起業してました!
(これが本当の神仏習合?)

話を元に戻しますが、地方に旅行したときも、山の中や島の小さな社などに思わぬお宝があります。

険しい階段を汗をふきながら上りつめた後に広がる、ひんやりとした静けさ。
樹齢数百年のご神木、そして千年以上も続く古い社を守りに毎日通ってくる村の人々の足跡。

その場所によって、様々な形の参道があり、また様々な形の神がいます。

滝であったり、樹木であったり、岩であったり、山であったり、海であったり・・・。
しめなわでマーキングしてあるので、外国人にもどこに神様がいるのかすぐわかります(笑)。

参道にも、プロセスを楽しみ結界を尊重するという、茶道の原型ともいえる心がここにあります。

日本三景の天の橋立の全長約45分の道のりも、実は対岸の籠(この)神社への参道です。
伊勢神宮の元宮(神々がここから移った)という由緒ある神社で、伊勢と同じ白木の鳥居があります。
(残念ながら現在は白木色に塗ったコンクリート造ですけど!)

下鴨神社から上賀茂神社までの約4kmも、本来は参拝の気持ちを整えながら歩くべき道なのです。
この辺りの川沿いは、京都市内でも屈指の散歩道です。

写真は、京都郊外の宇治上神社(日本最古の神社建築である本殿)。
ユネスコ遺産登録されていますが、訪れる人も少なく、いつもシンと静かです。

平等院を訪れたら、是非ここにも立ち寄ってくださいね。
宇治川の橋を渡って反対側です。

追伸:私は単なる観光ガイドであり、神道その他の宗教を論じる者ではありません。