奈良と京都のお盆

●家族揃って「なら燈火会」に行ってきました。

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このイベントは1999年から地域の有志が始めたものですが、期間中(8月6日~15日)は大変な人出です。

13~15日は、東大寺大仏殿の夜間無料拝観と万灯会(大仏殿の窓が開き大仏様のお顔が拝める!年二回限定)、春日大社万灯会、大文字の送り火等のイベントも目白押し、さらなる大盛況となるでしょう。

企業の主導ではなく特定の宗教に基づくものでもなく、町の人々が始めた手づくりの町興しでしたが、
今では役所や大寺院も全面的に協力しているようで、奈良の夏の風物詩となっています。


●8月23~24日のならまち・元興寺地蔵盆・万灯供養も超おススメです。

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皆さん口を揃えて、京都の化野念仏寺の万灯供養よりこちらのほうが楽しかった!とおっしゃいます。
(念仏寺は事前にハガキで申し込まなければならないほどの大混雑で、ゆっくり見られません)。

美味しいと評判の屋台(町内会主催)が並び、本堂には町の皆さんが準備した工芸作品が展示される上、
この二日間はなんと通常400円の拝観料も無料になってしまうのです!

明るいうちに行くと近所の皆さんが準備に立ち働かれている様子も見られ、
「ああ、これが日本のコミュニティなんだなあ」と心を打ちます。

元興寺さんは、飛鳥大仏で有名な飛鳥寺の別寺で、現存する日本最古の仏教寺院ということになります。
奈良時代以前の古い仏教のお寺なので、宗教行事も派手目で見ごたえがあります。

本堂の屋根瓦も見ものです。
1300年前の創建当時の瓦、鎌倉時代に葺き替えた瓦、江戸時代以降に葺き替えた瓦・・・
今でも並んで残っており、見れば境界がわかります。


●8月16日には京都でも五山の送り火があります。(「大文字焼き」と呼ばないようにご注意!)
昨今では高層ビルが立ち並ぶ京都、送り火が見えるスポットに陣取るのも容易ではなく、
穴場はどこも混みますが(笑)、私のイチオシは広沢の池です。

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京都市内ではかなりの辺境で「鳥居」以外の送り火は見えませんが、池の精霊流しが美しいのです。
遍照寺が戦没者の慰霊のために行っており、暗闇と静けさの中に響くお経の声が、
嵐山の精霊流しの人混みとは一味違う感動を呼びます。

私も一昨年には、一緒に広島の原爆資料館を見に行ってきたアメリカ人学生の団体を代表して、
「世界中のすべての人に平和を」と願う一灯を供えさせていただきました。

ただ、駐車場も無いのに車で来る方がいて道が大渋滞し、歩道が狭いので歩くのも一苦労すること、
近隣は田んぼと植木屋の材料畑ばかりで休憩するところもトイレもないこと、
たった一軒だけある売店は350ml缶ビール一本800円の超ぼったくり、買わないとトイレも貸さないこと、
帰りは、本数が少なく大混雑したバスで約1時間の道のりを駅まで戻らなければならないこと、
万一バスを逃したら、タクシーは3000円以上かかることを覚悟してください。

今までは徒歩10分の宇多野ユースホステルに宿泊するという奥の手がありましたが、
今年8月をもって改築のため閉鎖するそうです。
(あとはもう、宇多野病院に入院するより他、宿泊場所はありません・・・?)

朝もやのかかる広沢池と遍照寺山の美しさも見ものだったのですが、ちょっぴり残念です・・・