手抜工事告発(屋上防水)

イメージ 1コストコCostCo)で980円で購入したビニール・ボートです。

これを持って「流れるプール」に行くお約束だったのですが、
吸水口の柵が無いと怖いので(?)、
とりあえずは屋上で子供用プールとして使用しています。

この家の購入時、モルタル仕上げの屋上テラス(約5畳)は
中央部が凹んで水たまりができていました。

これはどうも木造住宅の宿命みたいですね。
そこでうちでは、防水材料でDIYリフォームしました。

イメージ 2防水コンクリートを敷設した上に
黄色いシーラーを塗布中しています。
この上に緑色の防水塗料を
二度塗りしたのですが、
水勾配を取るのが、
想像を超える難工事でした。



屋上防水では、例のM庭園にいたとき、超ズサンな工事に関与した経験があります。

大阪市補助金目当てに屋上庭園を作り、ついでに公金で雨漏りも直してもらっちゃおうという、
大阪人らしいチャッカリしたお施主様でした。

M庭園は防水工事なんかしたこともない植木屋でしたが、下請け仕事は何でももらってくる社長でした。
元請さんも、どうしていいのかわからないから丸投げしてきた、というのが明らかな物件でした。
(防水工事は塗装業者に頼みましょうネ)

当初お施主様はベランダ全面に土や砂利を入れて日本庭園を作ることを希望されていました。
でも素人防水で全面に土を入れるのは心配だし、軽量土を使っても、水の重さは避けられません。
木造住宅のベランダに予定外の荷重をかけるのも心配です。

そこで、植木鉢を沢山ならべて石組みでポットを隠す、という詐欺まがいの工事案になりました。

私はこの物件の設計担当ではなかったのですが、現場を見てギョッとし、
誰でも間違いなく施工できる簡易防水塗料(我が家で実験済み)を勧めました。

社長は「ほお~、そんなんあるんか!」と喜び、早速ホームセンターで仕入れに行きました。
でも買って帰ってきたのは全然違う外壁用ペンキでした。確かに缶は同じ形だったけど・・・。
「ちがいますっ!」と私が取替えに走りました(現場で使う材料くらい事前に考えとこうよ~)

塗装の下地作りは若いイケメンの職人見習い君に一任されていましたが、なにせ本業は植木屋、
道具も揃ってない中、見よう見まねで悪戦苦闘。

働いて夜学の建築科の大学を出た苦労人のイケメン君は、咳き込みながら黙々と頑張っていました。
(日当6千円で、気の毒に・・・)

結局、苦労したあげくに時間切れとなり、下地作りはいい加減なまま。
「おい、こら、今日中に塗り終えなあかんぞー!」と凄み、社長は帰ってしまいました。
(いつも都合が悪くなると消えちゃう人)。

数時間後、イケメン君から社長に電話が入りました。
「あの~、缶に『二度塗り』って書いてあるんですけど・・・」

もう日暮れです。今日中に乾かして二度塗りなんてできるわけがありません。
しかし明日の朝一で植木や石が来るし職人さんも段取ってあるので、塗装はこれ以上引っ張れません。

社長は「う・・・。まぁええわ。缶だけは間違いなく持って帰りぃやー」。
ええぇぇええぇぇ~っ!?

下請けに丸投げすると必ずこういうことになるんですよ!
(プールの吸水口の柵がはずれていても全然不思議じゃありません)。

翌日も、高さ合わせのスチレンボードの上に直に白砂を敷き詰めたり、
(↑もし奥さんがヒールのあるサンダルで歩いたらどうするの?)
私が指摘するまでは排水路も確保してなかったりと、もう滅茶苦茶。

「こんな仮設みたいなんでええんかいな?」と首をかしげつつ、職人達は黙って仕事をしてました。
ちなみにM社長は園芸装飾業界の大物。イベント用のディスプレイが得意技です。

心配だったので後日、元請会社の社長に「あそこの現場、その後大丈夫です?」と聞いてみたところ、
「いやぁ、補助金もらえたって喜んではったで~。おおきに」とニコニコ顔でした。
そりゃ、工事見てないからね。

200万円もの補助金を個人に支払うのに、お役所は現場のチェックにも来なかったようです。
来て見た上で通ったらもっと笑いますけどね。

肝心の防水工事がちゃんとできてないこと、お施主様はご存知なのか・・・