アメリカの年金通知

月に一度アメリカから送られてくる通知があります。
企業年金の運用状況を知らせる通知です。

小心者の私は「ローリスク・ローリターン」の貯金型を利用しているのですが、
それでも4年前に退職した時点で3400ドルくらいだったものが、今月は3998ドル、
お!もうすぐ4000ドルになるじゃありませんか。

アメリカには公的年金と私的(企業・個人)年金の2本立てです。
公的年金のほうは国を出てしまったので支払い損になりましたが(毎月ガバっと天引きされてたのに・・・涙)、
今通知が来ているのは企業年金のほうです。

企業年金は、私的年金とは言っても全国共通の法律にのっとって運営されているので、
転職しても前の職場から次の職場(あるいは個人年金)にそのままお金を移行することができます。

日本の厚生年金と同じく、自分の支払った保険料と同額を雇用主も出してくれて、
それを投資会社(たぶんウチらの社会保険庁よりは有能でしょう)が運用してくれるという仕組みです。

日本の年金制度と違うのは、年金元資が法律で守られているということです。

省庁の無駄遣いや天下り先の団体の赤字施設建設で「無くなっちゃった~」なんてことはできないよう、
使い道や運用の仕方が法律で定められているのです。

これが、アメリカ人が考える「最低限のモラル」なのだと思います。
人から預かったものを勝手に使わない・・・当たり前のことですよね。

そして、お金に困ったときには貯金のように解約して期限前に解約して現金化することもできます。
満期前に現金化するとペナルティとして30%の高い税金をとられますが。

でも、初めて家を建てる時や学資に当てる場合はペナルティなし、といった特約のついたものもあります。
財形貯蓄みたいなものかもしれませんね。

可哀相だったのはエンロンの社員で、持ち株形式の年金だったらしいので、会社の破綻でパーになりましたが、あれは明らかに経営者の悪意(詐欺)です。

私の年金はどうしてこんなに額が少ないのかというと、

 ①最初は49%勤務の仕事に就いてしまった(50%以上働くと年金に加入できたらしいのに、知らなかった!)
 ②次の会社では上手く騙されて「外国人のため年金保険料免除」などという書類にサインしてしまった。
(結局、得したのは会社だけ!)。

と言った感じで、現地の法律(常識?)を知らないで間違った雇用契約をしてしまっていたからです。

最後の勤め先でやっと、この美味しい年金に加入させてもらえたわけですが、
その3年後にはもう帰国してしまったので、貯まった額はこれっぽっちでした。

でも小額とはいえ、地球の裏側に置いてきたヘソクリがが少しずつ増えていると思うとなんとなく楽しい気分です。

アメリカ社会では無知な人や主張・要求しない人が損するので、上記の失敗も自己責任と諦めがつきますが、
日本では「何を言ってもしょうがない。頑張ってもしょうがない。」って感じ、ありますよね。

私達の世代は、自分達が払った年金保険料の3分の2しか返ってこないとどこかで聞きましたが、
もっと悪くなるかもしれません。尻拭いはいつも国民のようです。

こんなバカらしい制度に大人しくお金払ってる優しい国民って、日本人くらいじゃないでしょうか???