ユースホステルのすすめ

「9時半の門限に間に合わないのですが、泊めていただけるでしょうか?」と電話すると、
「こんな非常時のことですからね、いいですよ。電車が着くのが遅いから駅まで迎えに行ってあげますよ。」と信じられないほどご親切な指宿たまやユースホステルのペアレント
(携帯電話に充電させてくれないという噂の、指宿のもうひとつのユースとは偉い違いです)。

阿蘇YHでも、電車が遅れて真っ暗な駅に降りると、ユースの方が車で待っていてくださったそうです。

ユースホステルは、宿泊料が安いというだけでなく、青少年の一人旅を応援してくれるというメリットや、
同室になった旅人達といろいろな情報交換ができるというメリットがあります。

私も若い頃、旅先のユースで知り合ったヨーロッパ人や香港人達にバックパッキングのイロハ(ABCか?)を教えてもらったものです。

ユースにもよっては、湯布院YHのように家庭的で豪華な食事を出してくれるところも多いので、
旅先での栄養失調を心配する親にとっては有り難いことです。

九州ではありませんが、京都府美山ハイマートYHの食事も絶品でした。
近所で採れたお米や野菜を奥様の手料理で出してくださり、食事だけに行きたいほど美味しいです。
地の利の悪い場所で家族経営しているようなユースが、食事に力を入れていることが多いように思います。
(逆に、繁華街のど真ん中で夕食を強制をするようなYHは要注意です)。

我が家では、ユースホステルの4~6人部屋を借り切って家族で泊まることもあります。
そういう個室対応をするユースホステルが増えたきたのも営業上の事情でしょうか。
うちのように幼児のいる家庭には嬉しいことですが、本来のユースの存在意義を汚しては申し訳ありません。

日本の観光地の王者、京都市内のユースホステルが軒並み閉鎖しているようです。

金閣寺の近くにあった北山YHも閉鎖、穴場だった宇多野YHも9月から2年間、改築のために休館だそうです。
木製サッシに白いペンキを塗ったようなアンティークな感じの建物がお気に入りだったのですが・・・。

京都には1泊1600円~というバックパッカー向けの安宿が星の数ほどあり、毎年増え続けています。
京都市内のユースホステルの、会員でも一泊3000円前後という宿泊料は、高く感じます。
(日本のユースは、北欧やスイスといった高物価地域を除いては、世界最高価格水準です)。

とにかく安いところを求める外国人バックパッカーなどは、こうした民間の安宿に流れてしまったのでしょう。
京都市内のユースは、風情の無いRC造のビルだったりするところも人気を博さない理由かもしれません。
(安宿は町家を改造したような古い建物が多いので、京都旅行者にはそれも嬉しいようです)。

旅行好きな方が脱サラして始めたような良心的なホステルもありますが、中にはド素人が運営しているところもあるので要注意です。

中には廊下に人を寝かせて人数を詰め込むところ、どう見ても不衛生なところ、安全管理ゼロのところ、国際電話でわざわざ入れた予約を忘れてしまうようなところや、向こうの勝手でキャンセルしてしまうような宿もあります。

客(バックパッカー)にもタチの悪い人がいたりしますので、その辺はお互い様かもしれません。

日本のユースホステル協会の会員になっているところは、その辺りはとりあえず安心のようです。
息子の報告によれば、下関火の山、阿蘇、水前寺、湯布院、宮崎婦人会館(男子も宿泊可)の各ユースホステルはすべて快適とのことでした(←結構ウルサイ奴なのですが)。

情報が多少古くなっていますが、京都の安宿をまとめたサイトを以前に作りましたので、
もしも興味のある方はご覧ください。

全部実際に泊まって取材しました(英語で、ゴメンナサイ)。
私が作ったページ以外はリンクが切れているところもありますのでご了承を。

イチオシだった「月真院」(宿坊)が無くなってしまったことだけが残念でなりません。