フランス鉄道チケット購入術

一瞬、勝った気分で浮かれていたところ、奈落の底に突き落とされました。(そんな大げさな話か・・・?)

SNCF(フランス国鉄)のサイトで、 出張で使う鉄道の切符を探していたところ、「居住地」を聞かれたので「日本」を選ぶと、違うサイトに飛ばされました。これは全世界向けに各国語に翻訳されているウェブサイトらしく、米国版も同じ体裁でした。

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かなりお得な割引チケットが選べましたので、喜んでチェックアウトしようとしたところ、「手数料1500円、郵送料1500円、キャンセル保険1600円」が加算されているではありませんか!

「待てよ…」と思い、SNCFのサイトに戻って「フランス在住」と嘘をついてみたところ、今度は下記の検索ページへ連れて行っていただけました。

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「英語」のボタンを探しましたが、どうしてもどこにも見あたりません。「『フランス人』を騙って来たのだからしかたないのね」と思い込み、仏語で頑張ってみました。(見出しの「BEST OF」の部分だけが英語なところに、日本と共通する親近感を感じますが…)

するとここでは、値段も先ほどよりかなり安い上、郵送料も手数料も要らないEチケットにでき、さっきは合計16000円以上だったチケットが、半額以下の55ユーロで済むではないですか!日本版では1600円だったキャンセル保険料も、ここではたった2. 60ユーロです。なんじゃい、このレートは・・・?

こちらはEチケット選択可ですので、住所も不問で、カード支払いですんなり購入できました。メールで送られてくるので、たとえ紛失しても何度でもダウンロードできる切符です。

少しは仏語がわかったおかげでトクしたなー (^^) と喜んでいたのも束の間。

別のページに飛んでみると、「英語」その他、諸言語のボタンが並んでいるではないですか!英国旗のマークをクリックしてみると、ちゃんと英語の予約サイトが出てきてしまいました。

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こちらは、先ほどの仏語版と全く同じシステム、同じお値段です。うぅぅー、こっちで買えば簡単だったのにぃ・・・(仏語と格闘するのに、おそらく英語の10倍くらいの時間を費やしました)

SNCFのサイトでも、TGV(新幹線)以外の電車はノーマル運賃しか出ませんでしたから、海外から割引チケットを購入する場合、このTGV-Europe.comで十分ということになります。同じ英語版でも、米国向けのサイトは日本向けと同じで、高めの値段がついていました。やはりEU圏の住民だけ特別待遇???

ショックだったのはそれだけではありません。英語版のほうを読んで初めて気づいたのですが、すでに座席の指定が済んでしまっています。ガーン。自分がすでに仏語版で買ってしまったチケットは、廊下側の番号でした。 確かに良く見たら、小さな字で「couloir (通路)」と書いてあります。しまったぁぁぁぁ!乗り継ぎ便を選ぶのに必死になっていたのと、慣れない言語で緊張するあまり、大事な「座席指定」プルダウンメニューを見落としてしまっていたようです。

早まって格安チケットを買ったことが裏目に出て、交換・返金・名義変更は一切不可です。悔しいことに、日本向けのやや高いチケットなら、乗車前日まで交換できたのです!

飛行機ですら徹底的に窓際に拘る私が、車窓が命とも言える鉄道の旅で、しかも初めて通る路線で、4時間以上、廊下側に座らされるのですね。(ToT) こうなったらもう、旅程の場所がずっと退屈な風景であることを祈るしかありません。あるいは、皆さんの窓が酷く汚れていますように。(←心の狭いこと・・・)

さらに怖いのは、Eチケットも、今後送られてくる通信も全て仏語だということです。カスタマーサービスに電話するような羽目になったらいったいどうしたらよいのでしょう(号泣)

教訓:生半可な外国語の知識で行動するのはやめましょう。

追加情報:現地鉄道会社のサイトで直接買うと、観光客の少ない時間帯の便は特に格安。例えば、モンサンミッシェル行きのバスが乗り継ぎのある便と無い便では大きな価格差でした。

大手旅行会社がやっているらしい www.railohshu.jp というサイトも日本語対応のようです。チケット価格はRailEurope.comの日本語版より若干高めですが、手数料(700円)と送料(1000円)がお安いので、こちらのほうが安くつきそう。