蘊蓄にご用心

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ある日本酒好きの友人から聞いた話なんですが、ある酒造メーカーの営業さんと話をしていたときのことだそうです。

「この酒は、年代物の杉樽で熟成してるので美味いんです。杉は呼吸しますからね!」と、自信たっぷりの営業さん。ところがこの友人、実は木材の研究者なんです。確かスギ関係の論文も出ています。

「そら菌相が複雑だから美味くなるかもしれないが、外気の出入りはありえないよな・・・」と、心の中で首をかしげたそうです。

そうとも知らずに営業さん、どんどん調子に乗ってきて、「○○の原料米は稲のせいが低すぎて良くないんです!」実はこの友人、ご実家がコメ農家で、酒米も作っているんです。「稲のせいが高すぎて良くないのでは?」と、さすがに確認したそうなのですが、営業さんはあくまでも譲らず「いえ、低いんですよ」と言い張るので、それ以上は争わずに言葉を呑み込んだそうです。

しまいに営業さん、「私は○○大学の発酵工学科で・・・」ときたものだから、「非常勤講師でもしているのかな?」と思いきや、「聴講生をしています!」

営業の皆さん、習ったばかりの知識で能書きをたれる前に、相手の素性を確かめましょう。消費者の皆さん、「科学」っぽく聞こえる営業トークにはくれぐれも気をつけましょう。

(写真の酒屋さんと本文は一切関係ありません)