百姓タクシー?

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海外で、言葉が通じなくてこれほど困ったのは初めてでした。

ラテン語だろうがゲルマン語だろうがスラブ語だろうが、文字の読み方の法則さえ掴めば、英語に似た言葉くらいは聞き取れるようになるのがヨーロッパ言語。

ところがお隣の中国語は、確かに文字を見ればかなり理解できますが、いったん発音されてしまったら、全く意味不明、謎の音楽です。「筆談すれば大丈夫ですよ~」と言われ、メモ帳とペンだけ持って安心して出かけましたが、北京はそんなに甘くありませんでした。いくらこちらが筆談で質問しても、向こうは機関銃のように口頭で答えてくださいますから、結局何もわからないまま、困り笑いしながら「シェーシェ・・・」などと言って逃げ去るしかありません。

特に、文字も何も見えない真っ暗闇の公園で迷子になり、誰とも言葉が通じない心細さといったら・・・訊ね歩くこと20人目くらいにようやく英語を話す人に出会い、九死に一生を得たのでした。中国の「庭園」は半端な広さではない上、サインも街灯も殆どありませんから、決して夕暮れ後に地図も持たずに出かけたりしないようにしましょう^^;

しかし、文字が読める中国語はまだマシですね。

朝鮮語も、日本語の兄弟みたいな言語にも関らず、あの文字システムや音からは何も見えてこないし、
タイ語インドネシア語ベトナム語等にいたっては、字を見ても何が何だかサッパリわかりません!

バベルの塔」問題がもっとも深刻なのはアジア圏ではないのか・・・EU圏みたいなものをアジアで作ろうとするのはやっぱり無理なのではないか・・・

しかも、最近の「発展を遂げた」中国では、人々の英語学習熱がすっかり冷めているらしいです。次は、10億人のパワーで、中国語と人民元で世界を席捲しようということらしいです。今回の国際学会でも、堂々と中国語で押し倒すスピーチが続き、中国語オンリーの論文が目につきました。日本人ならまだ察し読みくらいできますが、欧米人にこの漢字だらけの論文を配って一体どうしろと…?

しかし中国人学生に聞くと、「中国で開催する会議なのだから、当たり前じゃないですか!」なのだそうです。うーむ、やっぱり日本人は英語に対して卑屈になりすぎているかもしれませんね。

本当に、中国語をアジア圏の標準語にしようとしているのではないかと思うほどの勢いでした。うかうかしていると、中国系人口の少ない日本だけが、アジア圏から取り残されるかもしれません。やはりここはひとつ、せめて北京語くらいは勉強しておくべきなのではないか・・・。今回、中国語ができないためにどれだけ損したかは、次回以降の記事で告白するとしましょう。

さて、固い話はさておき、似て非なる中国語の単語を見るのは実に楽しいものです。米国にいたときも、チャイナタウンの看板を読んでいるだけで一日中飽きませんでした。ただし本物の中国では、たとえ意味がわからなくても聞く相手がいないわけですが・・・。今回も、新鮮な漢字の使い方を多数目撃しましたが、中でもどうしても意味がわからなかったのは、写真の広告です。

百姓タクシー・・・

大手のタクシー会社らしいのですが、同社発行の月刊誌みたいなものもあって、お洒落なモデルさんが表紙を飾り、ファッション雑誌か何かのようです。これはいったい・・・?

帰ってから調べたら、「百姓=みんなの」というような意味だそうです。なんとも人騒がせな中国語ですが、もしも「みんなの党」が「百姓党」と書かれていたら、私は投票すると思います。