社会人落語日本一決定戦

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大阪府池田市で行われた社会人落語日本一決定戦で、予選会場のお茶子さんをしてきました。お茶子とは、噺家が交代する間に高座の仕度を整える黒子のような女性です。本来は、その名の通り、楽屋で噺家さんにお茶を出すオバチャンの職名だったらしいのですが、今日の演者は師匠方ではないので、お茶出しはありませんでした。

私は、高座に上がったことも無ければ、お茶子をさせてもらったことも一度もありませんが、池田落語みゅーじあむをウロウロしていたら、館長さんに「お茶子してくれはる?」とスカウトされました。後でわかったことですが、私の顔を見て、落研出身の人間と勝手に決めつけたらしいです。(ちがいます!)

上方落語には、見台と膝隠しという、文机セットみたいな舞台道具があるのですが、それを演者によって出したり引っ込めたりするなんて、いきなりぶっつけ本番でできるわけがありません。が、そこは池田ライオンズクラブの皆さんの暖かいご協力に助けていただき、受け持ち会場の出場者30名分の高座を、無事に整えることができました。(皆さん、会社へ帰れば社長さんでしょうに、こんなところでせっせとボランティア労働・・・頭が下がります。)

出場者の皆さんは、緊張感あふれる控え室で、出番が来るまで何度も何度も壁に向かってネタの練習をしていらっしゃいました。

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皆さん、アマチュアとは思えないレベルの高さでビックリしました。さすが、全国362名からビデオ審査を通過して選ばれた150名です。お茶子は舞台裏に控えている役ですので、会場で観戦するにいきませんでしたが、控え室では無口だった方も、高座へ上がったとたんに別人のような声が出ているのが聞こえてきました。

それにしても、この激戦の中から各会場1-2名のみの決勝進出、いったいどうやって選ぶのでしょう!?と心配していたら、私の会場の審査員の文三師匠は、女性2名を選出なさいました。予選会場の片づけが終わると、ライオンズクラブの皆さんと一緒に車で決勝戦会場へ移動しました。さあ、やっと落ち着いて観戦できます!

審査員の三枝師匠や春之輔師匠も「我々の生活を脅かす人は選ばない」と冗談を言っておられましたが、全く、アマチュアの実力は侮れず、8名の高座中、私はずーっと爆笑しっぱなしでした。(すみませんが、プロの寄席でもなかなかこうは行きません・・・)

その中でも、私達の予想どおり、私の予選会場から出た五月家ちろりさんが、見事に1位に輝きました。この方は外題もお上手でしたし、枕もアマチュアらしさを活かして感動を呼ぶ見事なものでした。(一番手前の、薄紫の着物の方です)

もうひとり、2位か3位かと予想したスリランカ系日本人の「にしゃんた」さんが、2位に。留学生には、日本に来たからにはここまでやってくれ、と言いたいです。(←ホンマですか?)

おしん」を見て感動して日本に来たが、どこにも「おしん」はいなかったとか、日本のパスポートを持って調子こいて海外旅行したらエライ目に遭ったとか、「全部撮れば教材に使えたのに!」と後悔するほど面白い、来日・帰化ネタのオンパレードでした。職業は大学教員だそうですが、わざわざ「経済学博士」と書いてあるな、と思ったら、外題は「時うどん」。さすが、シャレ倒していますね~

3位の微笑亭さん太さんの、中高年を扱った創作落語は、まさに「爆笑しっぱなし」もので、時間切れでサゲまで行けなかったにも関らず、客席の笑いの量が利いてか、めでたく入賞。(サゲはどうなっていたのか、気になります~)。

その他、惜しくも入賞こそ逃しましたが、お盆でお仕事が忙しい最中にこんなところに出て落語を喋っている高野山の僧侶の方や、

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(演目は「動物園」)

プロ顔負けの話術で「京都のぶぶ漬け」を演じた75歳の方など、もう「感嘆」の一言。「この外題は『お茶漬けが食べたい!』と客に思わせたら勝ちや」という米朝師匠を思い出しました。

その他、よくできた創作落語が多いことにも、さすが362名中8名の決勝戦だなあ、と思わされました。今回は観戦無料(要・整理券)でしたが、こりゃー、入場料取る価値も十分すぎるくらいありますよ。

さて今回の私のプチ自慢は、1位受賞者を予想して当てただけでなく、副賞の中身『日清食品どん兵衛1年分』も見事に予想を的中したことです!!!

それがどうしたという話なんですが、私も、どん兵衛1年分、欲しいな~