センター試験監督

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日曜日なのに朝の8時半から夕方18時半まで強制連行され、お勤めしてまいりました。

でも驚いたことに、休日出勤手当にはならないそうです。控室で聞いた先輩の先生方の話によると、書類上だけ代休を取ったことにされるらしい・・・何っ!?本学では、試験監督手当も数年前から廃止されたそうです。皆さんの高い高い受験料は、いったいどこへ行っちゃってるんでしょうね???主催者の大学入試センターって、独立行政法人なんだよね~天下りさん、ようさんおるんちゃうんかいな~と勘ぐりたくもなります。

さらに驚いたことは、なんと、弁当の一つも出なかったことでした。某Kジャズストリートのほうが折り詰めくれただけマシだったか!昼休みは40分しかないのに、こんなに大勢の人が来るのに、もちろん生協は営業するなど気ありません。しかたなく、構内のコンビニでカップやきそばを購入し、トイレでお湯切り、控え室ですすりました。このような哀しい境遇の中、居眠りもせず、本も読まず、鼻歌も歌わず、ストレッチもせず、試験時間60分x5科目+説明・回収・点検=合計10時間、しっかり働いてまいりました。

大学入試センター文部科学省は何か勘違いをされているようですが、大学教員、特に理系教員は、試験監督のような仕事にはもっとも向かない人種です。5分でも、いや1分でも時間があれば仕事をしておらずにはおれない、忙しい人達なんです。会議中でも、右の耳で話を聞きながら、左の目で机の下に隠し持った論文を読んでいたりします。(右と左に分ける必要も無かったような・・・)

徹夜明けもしくは万年睡眠不足で、居眠りに陥りやすい状態の人も多い。試験監督業務は、いわば拷問です。理論系の方に、「頭の中だけで問題を解くことができるか」と聞いてみましたが、以前の試験監督でやってみたところ、やはり何か書きながらでないと難しくて、諦めたそうです。

また、厳密に指示を守ってマニュアル通りに動く、といった類の仕事にも全く慣れていない輩です。他にもっと適切な人材が大学にはゴロゴロしていると思うんですが・・・。センター試験では、全国を統一するため、説明の文言まで一字一句すべてマニュアルの読み上げです。毎時間、全く同じ注意事項を繰り返し読みながら、「ワタシャ、アホか?」と自己嫌悪に陥りました。(実はちょっとアドリブしちゃいましたけど、あとで厳重注意くるかな~高校生の頃、マクドのバイトで、マニュアル外の接客対応をして怒られた私です)

おまけに今の時期は、学期末の試験作成だのレポート採点だので、教員は狂ったように忙しいのです。こんなときはむしろ、派遣切りで職を探している人々の大量採用でも考えるべきだったのでは?

二次試験なら、自分達で問題を作った責任もありますし、「どの子が入学してくるのかな~」なんて観察しながら監督するという楽しみもあるのでしょう。しかしセンター試験の場合は、たまたま近くに住んでいるために本学会場に割り当てられた人達で、いわば本学とは全く無関係な受験生達なわけですから、顔や名前を覚えてもしょうがない・・・

・・・とまあ、このシステムの不条理な点を上げればキリがないのですが、言ってもしかたないので、事前に、他の経験者のブログで、60分間の試験中の暇つぶしのアイデアを少し仕入れてみました。受験票の名前の字画を数える、踵を上げてこっそり筋トレ(!)など、いろいろ名案がありました。しかしどれもこれも、60分x5回も続けられるようなことではありません。

受験生と一緒に解いてみるか、と問題冊子を見てみましたが、数学と理科なので手も足も出ません。(いや~、20年前は確かに満点が取れていたはずなんですがね、ハッ、ハッ、ハッ・・・大汗)。この60分を自らの修練の場と捉え、何もせず何も考えずに瞑想に入ってみようかとも思いましたが、いきなり監督者が教壇の前に立って半眼で腹式呼吸を始めたら、それこそ受験生を混乱させるでしょう。結局、主任監督者を交代してみたり、写真照合を念入りにしたり、教室を行ったり来たりしてみたり、しっかり目を光らせて任務を全うすること以外に、やりがいのある暇つぶしはないと悟ったのでした。

というわけで、私達の担当の受験室だった受験生さん達は、不正行為は全く無理だったと思いますよ。お気の毒さまでした~