革靴の関税

イメージ 1

先日、アムステルダムで見かけて一目惚れしたが、時間が無かったので買いそびれた靴。どうしても忘れられず、帰国してからネットで海外発送してくれる英国の業者を探し出し、買いました。(アホか?)

英国Clark社のLion Cubという製品で、日本の代理店ではいくら探しても見つからないモデルでしたが、送料を入れてもオランダで見た値段より安いし、日本の同様な靴より安いしと、喜んで注文したのです。ところが成田税関から、「関税決定のため検閲が必要です」という嬉しくない知らせが・・・。今まで海外、主に米国から楽譜だのCDだの本だの靴だのいろいろ輸入して何ら問題なかったので、私は呑気に「革靴、価格○○ポンド、個人使用、開封検査していただいて結構です」と申告しました。すると今度は「関税と引き換えに配達します」という通知が郵便局から来ました。その額、なんと5000円。

えええぇぇぇ~???(悲鳴)

休みが明けたらすぐに税関に不服申し立てしようと心積もりしておりましたが、その前にちょっと調べてみたら、わかったのです・・・「革靴」の関税だけ異様に高いことが。そういえば、前回購入したのはプラスチック&ビニール製の靴でした。(ヒールもソールもトップも完全透明の5インチヒールのクリアミュール、20ドルくらいでしたよ♪)書籍や楽譜やCDは、書状として封筒で送られてくるので、引っかかったことがありません。特に以前にご紹介したCDBaby.comは、ジュエルケースをはずして送るなどの工夫をしてくれます。

通常、個人使用向けに海外の通販などで購入した物品の関税はせいぜい10%くらいらしいのですが、
皮革製品(靴、カバン、野球のグローブ等)だけ、特別な関税ルールが適用されているのです革靴の場合、4300円か購入価格の30%のいずれか高いほう」となっています。


これに地方税だの消費税だの手数料だのついて、最低5000円になるのです。たとえ1000円の中古靴を買ったとしても、5000円の税金を取られるんですよ!!!

コメも真っ青、って感じの税率ですが、理由は同じ、国内産業の保護らしいです。JETROの関税表を見ていただくと、いかに革靴だけが突出して特別扱いかよくわかります。皮革製品の国内産業といえばやっぱり・・・・・沈黙。(ついでに、日本の業者が皮革製品の製造販売の新規参入許可を取るのも、とても難しいそうです)。

私、決して外国製品崇拝者でもないし、国内産業、特に農業や工業の保護には賛成しています。でもこと革製品に関しては、椅子や乳製品などと同様、日本製品は歴史が浅すぎてダメだと思います。良いものが出回らないから、日本の消費者はいつまでも質の低い靴を履いてウロウロしてます。(「就活の時はダサい靴を履かなければならないという法律でもあるの?」と思う今日この頃・・・)医療の現場でも、機能性の高いな医療靴を輸入したいのに、関税が障害となって困っているらしい。業界のロビー活動は嫌いですが、今回ばかりは日本医師会からの強いプッシュをお願いしたいです。

とりあえずの自己防衛策として、欧米出張の際になんとか時間を作って靴を買いに行くようにしますが、海外の靴屋さんは、包装を素人っぽくし、送り状には「贈答品」と書いていただくようお願いします!(日本語で言うてもしゃーない・・・)