単年度会計狂想曲

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国立大学法人の運営交付金(国からいただく補助金)は、各教室・研究室ごとに毎年割り当てられます。最近は余った予算の繰越も一部できるようになりましたが、基本はやはり役所式の単年度会計です。なので、3月になるとこんなパンフレットが飛び交います。生協へ行くと、研究室から注文されたパソコン等の物品が山ほど並んでいます。パソコンならまだしも、食器棚だとか椅子だとか、ワケ分からん家具を買い込む人も多いようです。公費で買った物品は転売も外部への寄付もできませんから、要らなくなればそのまま粗大ゴミです。単年度会計は、国民の皆様の税金を紙くずに変える制度かもしれません(?)

困るのは、その年の予算がいくらもらえるのか、なかなかわからないことです。私の場合も、今年度の予算が決まったのが7月だったので、それまでは何も買えませんでした。その後も、何ヶ月かに一度、パラパラと追加予算が来ます。きっとどこかで余ったお金が配分されてくるのでしょう。「臨時収入は無駄遣いしたくなる」という人間の心理を知らないのかな・・・?

来年度(明日から)についても、4月から始まるクラスのTAを雇う予算を申請しましたが、もらえるかどうかは5月までわからないそうなので、募集がかけられませ~ん!(涙)

極めつけは、昨年の10月に応募したプロジェクト(教材を開発して大学に譲渡)の謝金70万円が、今年の2月末になって突然、「今年度3月中に全額使い切ってください」と振り込まれたことです。実験設備もなく職員もいない一人研究室で、そんな大金どうやったら一ヶ月で使いきれますか!?(注:理系の研究科では、70万円くらいは大した金額ではないらしいですが・・・)もともと今年の5月と9月の国際学会に行く費用が欲しくて応募したプロジェクトでしたが、もう遅い。19年度予算から出たので、20年度の学会には使えないんだって・・・そんなぁぁぁ!

しかし休日も返上して徹夜して仕上げたプロジェクトの報酬です。1円も無駄にしたくありません。結局、経理と財務の担当者に泣きついて拝み倒し、裏技でなんとか翌年度繰越をしていただきました。「予算を余らせたと思って来年度分を減らさないでくださ~い!」と涙の陳情に行くと、「大丈夫、大丈夫」とニコニコしてはりましたけど、やっぱり次の予算が出るまでは心配です。普通、こんな面倒な思いをするなら何でもいいから物品を買って使い切っちまえ、となるのでしょう。でも、せっかくの有難い総長裁量経費を、こんな変な配り方して無駄遣いされても平気なんだろうか?

もっと困惑したのが、単年度会計の外部資金(とはいっても、出所は皆様の税金ですが)、いわゆる科研費とか受託研究費ってやつ。単年度全額使いきりが絶対の鉄則です。予算を慎重に考えて使い、残額52円と残額26円になった帳簿2冊を得意顔で提出しに行ったら、「ちゃんとゼロになるまで使い切ってください」。えぇぇぇ~っ、余らせるのもダメなのぉ~!?

ピッタリ52円と26円の商品なんてありますかいな。しかも、教育・研究関連用品で、会計検査院が認めるリストにある物品でないとダメなのです。ところが、探したらありました!生協で、52円の消しゴムと、26円のクリップ。バラ売り>o<

予算項目が違うので、この二つのバラ売り物品に別の伝票を切ってもらわねばなりません。消しゴムとクリップのそれぞれに、見積書・請求書・納品書だの・・・A4版が5枚ずつ付いてきます。「商品代金より、書類の紙代とプリント代のほうが高くついてしまいましたね」と、生協の店長さんに何気なくぼやいてみましたが、「しかたないですよ」と普通にスルーされました。

でも、現金で購入したら立替請求伝票とやらが発生して、今度はA4版用紙7枚以上を消費した上、さらに大学から「立替金、銀行振込のお知らせ」が郵送料50円で送られてくるので気が引けます。どうして、毎日出勤して来てる人間に郵送するのだろう?夫に隠れてヘソクリしないようにとの配慮?B5版などの小さいサイズの書類は、すべてA4台紙に糊付けして提出しなければなりません。でも、会計検査院も見るから裏紙じゃダメなんだそうです。私のコピー紙なんですけど~ ;>o<;

最終日だけあって生協は「使いきり購入」をする人々でごった返しており、20分待ち。あのぉ~、レジで並んでる私の人件費も、時給2000円以上かかってるんですけど・・・。普通の民間企業みたいに、必要になったときにその都度、妥当な額を請求して配分してもらう、というようなシステムにはできないものなのでしょうかね?