留学生のアルバイト

留学ビザで日本に来ている外国人が、どのくらい合法的にアルバイトできるかご存知ですか? 授業期間中は週28時間、休業期間中は週40時間なんです。あともうひといきで厚生年金に入れるくらい働けるんですよ!

今日、先斗町のレストランで働きたいからといってハンコをもらいに来た学生がいました。法律が許しているのだから私一人が止めるわけにもいかず、ハンコを押しましたが、悩んでいます。普通の私費留学生なら事情はわかるんです。実際、夜通しコンビニ等でアルバイトして生活を支えている私費留学生が多数いるのも事実。でも今回の学生は、協定校から来ている交換留学生。授業料は全額免除な上、京都市内で2LDK2万円台という格安な学生寮にも入れてあげています。はっきり言って、生活のために働く必要はありません。もちろんこれらの公的援助の財源は、すべて皆様の税金。

「授業が面白くないから、もう勉強はどうでもいい。大学の外で日本を経験したいんです」と言います。留学生向けの授業に関してはヒドイ悪評を聞いているので、言い返せないのが辛いところです。「でも留学ビザで日本に滞在している事実は忘れないように」と一応の注意は与え、「週3日、最大でも20時間以内にしなさいね。」と約束させましたが、どうせ口約束です。

そのレストランのパンフを見せてもらいましたが、納涼床を出しているようなちょっと高級なフレンチ。フランス語を話せる西洋人のバイトがほしかったらしいです。夜は10時までというので、そんな怪しい店ではないと思いますが、何が転ぶかわかりません。何か間違いでも起これば、指導教官として預かっている私の責任になるのです。

アメリカの大学の留学ビザ(F-1ビザ)で許される就労は、学期中は週20時間まで。それも専攻分野に関する助手、インターンあるいはキャンパス内でのアルバイトと限定されていました。それでも、週20時間働いていたら随分学業に影響するもので、マトモに学生できる限界だと思います。28時間も働かせるというのは、明らかに留学をカクレミノにした出稼ぎを許している制度です。しかも「風俗業界以外」という規定しかなく、ほとんどどこでも働けるんです!いったい誰がこんな無責任な法律を作ったのですか?

以前、東欧出身の留学生が「英会話学校講師」で申請しているのを見て「え?」と思いましたが、「たいがい何でも許可します」と事務が言うし、私の担当ではなかったのでそのまま見過ごしました。でも、このままでは出稼ぎを増やすだけです。国が無責任にほったらかすなら、大学内で何か基準を作りましょうよ。「勉強しなくてもいい」なんて学生に言われないよう、ちっとはマトモな授業しましょうよ。