居場所

昨日は理系諸部局の先生方と「時計台レストラン」でランチをして来ました。

メニューはお手頃価格のフレンチですが、雰囲気や客層は明らかに教授クラスの外来客接待用。
桂キャンパス支店では近所のオバチャンで一杯でしたが・・・)

身分的には場違いですが、よく顔見知りな国際交流センターや環境デザインの教授も居合わせたりして、
顔の面積だけはやたらと広いワタクシです。

さて今回のメンバーは:

・薬学博士の物理学者で「生命とは何か」を研究しておられ、哲学的著書で知られるA教授。
  (子供の頃は言葉も遅く、高校までは劣等生だったそうです。日本のアインシュタイン!?)

・金属の物性研究で工学部から理学部に移籍して来られた、化学専攻かつ物理学会のB教授。
  (ご研究内容はサッパリわかりませんが、研究室がお隣なので仲良くしていただいています)

・本業はメディア・アーティストで、アートと工学の融合を研究されているメディアセンターのC教授。
  (俳句を自動生成するシステムなんかを構築されているらしいです。ん~、近づいてきた?)

・Mixed Reality(バーチャルと現実の融合)を研究しておられる外国人客員教授のD教授。
  (現在は「カワイイ」の概念を分析・体系化しておられるそうです。やっと話が通じる~^^;)

・自分とは最も縁の遠かった理学の世界に突然放り込まれ、居場所を模索中の私。


既存の学問分野の空隙をツイて生計を立てている、おっと、真理を探究している面々です。

建築や造園は日本では「理系」なのに、どう見ても科学ではない論文が大手を振って歩いており、
欧米では大昔から文・理・芸のいずれにも属さない独立した一分野として確立しています。

しかし環境デザイン以外でも、分野を股にかけて頑張ってる人達がいることを知り、ちょっと安心。
(D先生には、ピアニストで音楽と数学の研究をしている米国の先生を紹介していただきました)

この中でB先生だけは正統派理系な感じですが、それでも現在籍をおいておられる理学研究科は
「モノを作る」「産業の役に立てる」といった目的で研究をしてはならない、という世界です。

実際、B先生んとこの講座の若い准教授の先生が最近ある金属に関する大きな新発見をされたので、
「これってどういうことの役に立つのですか?」と聞いたら、「それは考えてない」と明言されました。

(農学や工学の先生にその話をすると、皆さん「ええーっ!!!」とひっくり返ります)

ノーベル賞につながった「スーパー・カミオカンデ」なんかも総工費400億円とかで、もちろん国費。
ニュートリノが見えたからといって何の役にも立ちません」と小柴さんもおっしゃっていたような・・・

店で帳簿の計算したり工事現場で土を掘ったりして暮らしていた頃の私でしたら、
国民の血税使って役に立つのか立たないのかわからんような研究すな~!」と叫んでいたことでしょう。

でも戦闘機1機120億円を始め防衛費に湯水のようにお金を使っている状況に比べたら、
スーパーカミオカンデで真理を探究しているほうがずっと値打ちあると思いません?

地球人類全体の未来のために、という意味で・・・

「超・実学思考」からの「脱・実学思考」への切り替え作業、ただいま鋭意進行中です。

(でも気が弱いもんだから、ついついバザーで台車を転がして働いたりしてしまいます・・・)