税金泥棒@大学

先日文部科学省から「業務の効率化」についての通達が回ってきた。

要は公用車を減らせだとか何だとか、無駄な出費を減らせという話なのだが、民間企業からは「まだやってないのですか?!」と言われそうな、当たり前の話ばかりだった。エコ急先鋒なうちの主人の勤務先なんか、社内文書は全部「裏紙」、社長も地下鉄で移動です。

すでに教職員の給料やら研究費やらを大幅にカットし、「競争原理」とやらで任期つき採用だの外部資金獲得プレッシャーだので講座内の平和と倫理を乱し、私のような弱小職員がお客様に出すコーヒー豆代まで自腹を切らせたりしているわりには、摩訶不思議な「慣習」がそこここに残っている。

ある講義室のAVプロジェクターが暗くて見えにくいとの不具合があるらしく、改修を依頼したら、3業者から揃って300万円超の非常に近い金額の見積りが出たようだった。プロジェクターだけ取り替えればよいものを、豪華AV卓の一式に買い替えといった内容のようだった。実際、あの馬鹿でかいAV卓の類を喜んで使っている先生はほとんどいないと思うが・・・

国立大学なんてのは、今までは「チョロい客」の筆頭だったのだろう。でもこの日、教務委員の某教授の対応は、すがすがしいほどシャープだった。

「この金額・・・おそらく業者間で『申し合わせ』があったのでしょうね。もっとシンプルな必要最低限の内容で、見積りを取り直してください。」

事務窓口担当者は不満そうに首をかしげて、快い返事をしなかった。もちろん、内容を変えての再見積りは言いにくいことだし、それまでの経緯もあるだろうから面倒な仕事であることは理解できる。

しかし教授は引かなかった。「大切なお金なんですから、どうかよろしくお願いします!」と、ピシャリ。私は「この教授のお手伝いなら何でもします!」と思った。

買物も、百均やスーパーなど、町中の普通の店で買えば安いものを、大学生協や出入りの業者で買わないと手続きが面倒くさくなるような仕組みが、なぜかできている。(大学生協にペンチを一本買いに行ったら1800円のしかなくて、走って逃げて帰った。工事の仕事でもそんな高級品は滅多に使ったことがない)。

用務サービスもおそらく無駄だらけに違いない。以前に私の部屋に時計をかけるため、石膏ボードにビスを打つ許可を求めに行ったたら「あとで人をよこしますから」という大騒ぎになってしまった。間もなく作業服を着た「業者さん」がやってきて、頼んでもいないドアの立付けまで直し始め、男性作業員3名であーでもないこーでもないと一時間以上、結局ドアは直らなかった。

壁にビスを一本打ちたかっただけなのに、男性3人x1時間!!!明らかに2人は作業補助員だったが、「建設工」の日当で請求されていないとも限らない。後で施設担当部署に「ドアのほうは直さなくて結構ですから」と言いに言ったら「?」な顔をされた。税金泥棒したくないし、もう今後は、自分の判断で勝手にビス打つことにしよう。

石膏ボード+ペンキ仕上げの内壁くらい、万一問題が起こったら自分で修繕してお返しますから。