「困ったチャン」学部?

またまた危ない話なので内緒。
いろいろ調べて回ったら、ウチの学部がかなり孤立している感じがつかめてきました。

大学コンソーシアム(京都のいくつかの大学で単位互換を認めるシステム)も一切認めてないし、
選択できる科目の幅もミョ~に狭い。

専門語学科目(科学英語、など)を提供してないのも理学部だけ。
(これを作るのがさし当たっての私のお仕事になりそうですが)

私はこれまでいた業界の関係上、工学部や農学部の先生方とお付き合いがあるのですが、
「理学部の先生が来ると話しが進まないんだよ~」なんて厳しい声もあちこちから聞こえてきます。

理学部の若い先生にチラっと聞いた話では、「前例がない」ことはすべて教授会で却下されるとか。
私みたいなモンが入り込んでしまったのは明らかにcontamination(汚染)、いや、事故ですね。



「名前にあぐらをかくのはやめて改革しよう!」という意識の先生方も実はいらっしゃいます。

そもそも、「ノーベル賞受賞者を輩出する学部」という評価が定着しているようですが、実は
日本で最初の受賞者2名がたまたま京都帝国大学理学部の同級生だったいうだけのことなんです。

「湯川先生のノーベル賞関係の業績のほとんどは阪大(講師)時代のものなんですよね~♪」
なんて湯川財団理事長が発言してしまっていましたが、その通り、実は大阪大学様バンザイなんです。

朝永振一郎は東大で博士号をとってその後は東京文理科大(現・筑波大)で研究してた。
利根川進も、京大を飛び出してアメリカに行ってから業績を上げた。(敬称略で失礼します)

福井謙一野依良治は京大工学部出身、江崎玲於奈小柴昌俊は東大、白川英樹東工大
田中耕一さんなんか東北大出身だけど、大学院にも行ってない学部卒サラリーマン! 

もうすぐ小柴さんが京大に講演に来られるけれど、主催者はなぜか工学部建築学科の一研究室。
このテの一般向けイベントの企画なんかも、理学部はほとんどやってません。

(霊長類研究所は、中高生と一般市民向けにとっても素敵なイベントをやってましたよ~)

フィールズ賞(数学のノーベル賞)を見ると日本人受賞者3名のうち2名が京大理出身ですが、
広中平祐はずっとハーバードだし、森重文先生も理学部ではなく、数理解析研究所

(敬称略と言いながらも、やっぱり現役の本学教授を呼び捨てにはできない小心者の私・・・)

教授陣全体の発表論文数とかインパクトファクターなんかも、実はあんまり大したことないみたい。
確かに文化勲章とか紫綬褒章受章者も多いし、有名人もそれなりにいる。

それでも、全国の理系受験生の憧れの的として君臨する資格があるかどうかは、悩ましいところです。
(専門的なことはわかりませんし、学生としては絶対に入れない者が偉そうに言えませんが・・・)



勉強しようと思って「Newton」なんか買ってみたけれど、うちの先生方はほとんど執筆してない。
一般読者向けの雑誌なんかにバカバカしくて原稿出せないってか~?(一般読者で悪かったな~)

まさに「開かれた大学」の潮流に真っ向から逆流しているような感じです。
あの東京大学様ですら最近はPR活動に邁進しておられるというのに・・・

でも、面接で志望動機を聞かれ「世界平和をめざします」と述べてしまった私を採用してくれるような
浮世離れした学部がまだ日本にもあったからこそ私も命拾いしたわけで、引き続き頑張って働きま~す