老舗喫茶店と市場原理

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日本で一番古いという噂の老舗カフェ、ちゃんと健在ですよ~。私が中学生の時に初めてここを訪れてから30年、ほとんど変わってない店の様子。紙の本の代わりにノートパソコン使ってるお客さんが増えたくらいかな。分厚い無垢板のテーブルは人間国宝の黒田辰秋氏の作、・・・という話は今日初めて雑誌で読みました。創業1930年、京都で初めてフランスパンを発売した店。

ここのカレーはオーソドックスで実に美味しい。サラダとパンのセットなんかも楽しい雰囲気。カツカレーが自慢なのも、パン屋さんらしい。本日は12時半にはもう売り切れてましたが。日本が深煎りコーヒー旋風に巻き込まれる以前からの、昔っぽい酸味のあるコーヒーも和ませてくれる。東京が深煎りデミサイズ一色に染まっていた80年代後半、京都ではまだ普通のコーヒーが飲めた。しかも東京のコーヒーが600円~とバブル化する中、京都ではちゃんと300円代を守ってた。

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ランチしながら考えました。

あちこちの部署を頭下げて回り、自分で仕事を増やしているような毎日です。営業マンならこれでいいんだろうけど・・・「そんなにあれこれ抱えこまなくても」と言われています。「昇進は永久にしない」と最初から決まっている契約で、定年までただここに座っていればいい。「休むな、働くな」と言われる中級公務員的ポジションなので、むしろ波風を立てるべきではない。新しいことを始めてもリスクを負うだけ。自分自身には何のメリットもないのに、いつになく張り切っています。なぜ?

ふと、成果主義って意味ないんとちゃう?」という疑問が湧いてきました。次の就職探しや契約更新の心配がないから、長期的に組織と顧客のためを考えて動ける。競争や評価の心配がないから、自分の業績の心配をすることなく、他人のために働ける。「お客さん」の役に立ちたい。意味のある仕事をしたい。結局はそれが自分の喜びになる。たぶん職人さんなんかも、そんな気持ちで働いていらっしゃるのではないでしょうか?ノルマや業績評価や競争原理で人々をストレスに追い込むよりも、こういう生マジメでバカ正直な人間を育てるほうが結局は得策かもしれません・・・

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この喫茶店は居心地がいいので、長居する客が多い。試験期間中など、コーヒー1杯で何時間も居座る学生も多い。でもこのお店はそんなこと気にしていないみたいに、図書館のような大きなテーブルを提供している。客を追い立てることなど考えもしていないような、穏やかな笑顔で今日も・・・。