大学教員の兼業について

イメージ 1

7年ぶりにマイクスタンドを立ててみました。船便で持ち帰って以来、箱に入ったままだったPA一式。カビ生えてなくて良かったな・・・と、ふと目を離していたら、♪やねよ~り~た~か~いこいの~ぼお~り~♪♪楽しそうな歌声が聞こえてきました。げっ、勝手に自分の高さまで下げています! 毎度のことながら、ボス、恐れ入りました。

さて、来週からフルタイムの勤め人となる私ですが、こんなことしててヨロシイんでしょうか?もし万一オーディションに受かっちゃったら、やはり「兼業届」とか出さんとあかんのでしょうか?ま、ギャラがもらえるとしてもせいぜい交通費とクリーニング代に足るか足らないか程度の額。おそらく確定申告すら必要ない程度でしょう。時間も夜だから昼間の仕事とはかぶらないはずです。アメリカではこの手のギャラは必ず現金払いでしたが、日本では源泉徴収とかされるんでしょうかね?いずれにせよ、教授の原稿料・講演料なんかと同じで、「雑所得」でいけそうですね。

そういえば先日、大学教授と設計事務所経営の兼業は是か非かということが話題になりました。実務教育の世界では結構よくあることで、私は、ある程度は必要なことなのではないかと思っています。実務は時々刻々と変わっているし、学生さんもカビの生えた情報より旬な情報が欲しいでしょう。経済学・政治学界では、学術的業績のないタレント教授'''が大臣になる例もあるようですが・・・。

特に日本の大学院はアメリカのそれと違って授業がほとんどなく、院生は「自主研究」が建前なので、建築意匠系などでは、教授(建築家)が院生(スタッフ)を使って設計事務所状態なのが通常です。アメリカでは院生の労働に結構な対価を支払いますが、日本の院生はほとんど無報酬労働。日本では、そうやって有名建築家の下で事実上のインターンをしながら実務を学ぶわけです。そして、ついでにいつの間にか博士号も取れてしまう。(意匠系の論文審査は教授の一存ってホント?)それで、大学院を卒業後いきなり独立して自分のアトリエを構える「先生」が多いわけなんですね。

一方教授のほうはと言えば、安藤忠雄北野武(分野は違うけど)クラスの真のビッグネームになると、彼等の業界での名声や活動が学校の宝だから、毎日タイムカードを押さなくてもよいのでしょう。でも、ビッグネームのつもりになっているだけの教授が給料泥棒してはいけません。どうか、ちゃんと学校へ来て学生の面倒を見るなり、研究業績を上げるなりしてください。

私の尊敬する工学研究科の某先生は、ご自身も実務でご多忙にも拘わらず、朝8時前から夕方5時までは必ず研究室または構内にいて、キッチリ大学の仕事をされています。一仕事終わって打ち上げ、などというときにお忙しくて来ていただけないことはありましたが、学生・院生・助手の指導や委員会等の庶務に関しては、お留守にされることは決してありませんでした。こういう一日16時間働いていらっしゃるような方は、兼業する資格アリだと思います。

とまあ、いろいろ夢と心配は膨らませてみましたが、コンテスト予選落ちでただの杞憂に終わったりして・・・ハハハ。