悲しい新学期

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先週から新学期が始まりました。今学期からは、今までとはちょっと違います。私が(そして学部の誰もが)絶賛していた学部事務室のFさんが辞めてしまったからです。それで初めて知ったのですが、彼は正職員ではなかったらしいのです!それも6年もの間・・・新卒からずっと?そんなバカなことがあるか~!!!大好きだった大学が少し嫌いになりました。

不満など一切見せず、いつもさわやかな笑顔で、誰よりもよく仕事をしていたFさん。学生からも非常勤講師からも頼りにされていたFさん。事務室の壁に「賞与5.7ヶ月に決定」なんて通知を貼り出す仕事をしていたのも彼だったのでしょうか?そんなことをあれこれ想像していたら、周囲の人々の非情さに腹が立って涙が出てきました。正社員の方々はご存知ないかもしれませんが、非常勤にとってボーナス時期は一番辛い季節です。たまたま就職氷河期に生まれ合わせた、あれほど優秀で人柄も満点だったFさんを正職員にしないまま、大学は新卒の正規職員を募集していました。もちろん、年齢制限つきで・・・

学生にも人気のあったFさんは、4回生の内定話もいつも笑顔で聞いていたに違いありません。アメフト部のコーチも務められていたFさんは「ずっとこの大学にいたかったのですが・・・」と言い残し、企業の正社員になって行かれました。そろそろ責任ある立場・年齢になる男性としての、苦渋の、そして当然の選択だったと思います。

日本社会において正規雇用・非正規雇用を分けているものは、「運」という紙一重です。特にFさんの場合は、いなくなられた途端に皆が困ってしまうような、貴重な人材でした。人事の権限を持つ人達はなぜ、こんな不公正を6年間もほったらかしにしておいたのでしょう?自分達がほんの少しの痛み(=予算)を分かち合うことによって、何とかならなかったのでしょうか?なぜ自分の既得権を守ることばかりでなく、自分のお身内のお手盛りだけでなく、「組織全体の利益」「消費者・国民・学生等の利益」を考えられる人がこんなにも少ないのでしょうか?

話は非常勤講師控室へと続きます・・・