宇治~奈良

月曜日の夜は、ウッカリ奈良の旅館を予約していました。本来ならばこれは大失敗。月曜日は、奈良はどこも軒並みお休みなんです~!東大寺などは拝観できますが、国立博物館が休みなので店はほとんど定休日で、街が閑散となります。世界的観光地なのに定休日を作ってしまう奈良県人。三重県人と1,2を争う欲の無さです。営業日でも、夕方6時前後には皆さん閉めてしまいます。京都や大阪では考えられないことです。でも私がいれば大丈夫(自分のミスやろ)。午前中は途中の宇治でゆっくりして、午後には奈良市内で非公開伝統建築の特別訪問を入れました。

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宇治では「また山と川と桜ですか」と怒られるかな?と心配していましたが、皆さん狂喜乱舞。散りかけの桜にすら「花吹雪が素敵!」と感動してくださいました。私もすっかり桜のお世話になっちゃって、もうソメイヨシノの悪口言うのやめようかと思います。

平等院は浄土式庭園(平安後期)の貴重な遺構で、全国的にも数えるほどしか残っていないものです。日本庭園、特に京都・奈良における池の意味を教えてくれる庭園です。もちろん絢爛豪華な建築にも、絶句。「禅と侘び寂びばかりが日本じゃない」ということを教える上でも、はずせない場所です。こちらのお寺の跡継ぎの方に就活で負けた経緯もあり、個人的には複雑な思いがあるんですけれど・・・

宇治川の対岸には、同じく世界遺産なのに何故か訪れる人も少なく静かな宇治上神社があります。古代日本における神との接点が感じられる神社は、京都ではここと貴船神社くらいではないでしょうか?

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平等院の表門のすぐ脇にあるうどん屋さんは、コシのある美味しい茶うどんがいただけて値段も手頃。こちらの定食はその名も「源氏」(980円)。

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平等院参道(徒歩の道)の両側にはお茶の店が勢揃い。抹茶風味の土産物がオンパレードですが、予算に合わせた良質のお茶を求めるにも良い所です。「高いもの=良いもの」はお茶に限っては正解。値段が上るほど、甘くマイルドな味になります。すべてのお店を物色していたらキリがないので、利休さんにお茶を納めていた創業500年の上林さんへ。お茶人に差し上げても恥ずかしくないランクのお抹茶を、Fさんへのお土産に一缶買いました。

お茶の博物館や、お点前が体験できる店など、宇治で一日ゆっくりしても楽しめそうです。川沿いにある市営のお茶室「対鳳庵」では、500円で気軽にお茶席が楽しめます。先ほどは京阪で来ましたが、今度はJR駅までダッシュ。「みやこ路快速」で、宇治から奈良まで26分です。

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奈良のFさんのお宅は築250~300年の商家で、国の重要文化財に指定されています。諸事情により今は非公開となっておりますが、有難いことに私はお出入りを許されている一人です。旧家の保存活用に孤軍奮闘されているF夫人は、「日本の美」のすべてを身につけた美しい女性です。

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感動に酔っているうちにもう17時近く。観光案内所に立ち寄って英語の地図とパンフをもらい、東大寺の敷地内にある、本日ご宿泊の旅館へ。一晩だけ和風旅館を体験したいとのご希望でしたが、京都はどこも4月は一杯だったので、ここにしました。天平時代の古材を使った床柱もある古い建物で、京都の数寄家建築の旅館とは、また趣が違います。南大門を望む素敵なお風呂もあるようです。

とっても気さくな女将さんで、京都の有名旅館よりも、気楽に利用できそう。でもお喋り好きな方なので、通訳で忙しくてお部屋の写真撮れませんでしたが(笑)。こちらは懐石料理も評判らしいのですが、残念ながら私は一人で帰宅。ビジターも予約しておけば一緒にお食事できるはずなので、頼んでおけばよかったナ。