花見とガーデニングの季節に・・・

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六本木の植マスの話に興味を持っていただいたので、さらに生意気なことを述べます。許してね。樹木を本当に大切に思うなら、あんな都会の狭い歩道に植えないであげるのが正解なんです^^;でも身近に緑が欲しいと思うのは人間の自然な欲求。で、せめて心に留めておきたいことをいくつか・・・

1.根元をできる限り踏まないこと。根っこは本来、樹冠と同じ大きさに広がると思っておく。
  →お花見の宴でサクラは泣いています!

2.樹木の足元には、空気(風通し)を十分に与えることが大切です。
  皆さん水遣りはマメにされますが、空気のことを忘れがち。

スッキリした舗装から樹木が生えて欲しいなんていうのは、「デザイナー」のエゴでした。(反省)
ハイヒールがひっかかったら困るなんてのは、歩行者の都合です。

3.一面ガラスや金属や打ち放しコンクリートの建物の前に樹木を植えるのも本当は残酷です。
  壁面からの照り返しの暑さで、樹木はあえいでいます。(せめて乾燥に強いものを選んでね!)

4.ガーデニングの季節ですが、草花と樹木の同居にも注意が必要です。

  日本のほとんどの地域の気候では、樹木は一度根がついたら水遣りは不要です。でも樹木の足元に草花をあれこれ植えると、どうしても毎日水をやらなければならなくなります。で、どうなるか・・・

樹木は水ぶくれして弱くなり、虫や病気にやられやすくなります。結果的に、農薬を撒くことになり、その先はご想像。芝生に毎日の水遣りが必要なカリフォルニアでは、芝生の中の樹木が水ぶくれやカビとの戦い。水際まで迫る芝生なんてのもモダンで格好いいですが、どれだけの農薬が池に流れ込んでいることか・・・

その他、日本に「イングリッシュ・ガーデン」を作る問題点は「ガーデニングを辞めたわけ]」にも書きました。本当を言えばポットに植えられた植物なども、ずいぶん気の毒と言えば気の毒なのですが、そこまで言い出すと人間生活の潤いや癒しまでも否定してしまうことになるので、悩ましい。

植物をイジメることで大きく綺麗な花を咲かせる技術が用いられていることも、意外と知られてない?農業でもそうやって甘い果実を作ったりしていますから、非難するわけではないですけれど・・・

自然の本来の姿を尊重するか、ある程度「自然は人間の道具」と割り切るかは個人の選択でしょう。ただ、日本では昔から「自然の声を聞き、それに従う」という態度があったことは事実です。

お花見をやめろとは言いませぬ。ただ、少しだけ気を使おうではありませんか。京都のベテラン桜守・第16代植藤さんによれば、カラオケもサクラには良くないそうです。さらに興味を持たれた方には、上記の2冊の本をお勧めします。