ゲスト講師の頼み方

今日は、とある短大の住居・インテリアコースの卒業記念イベントに招かれて講演をしてきました。なぜ私などが呼ばれたかというと、有名人を呼ぶほどの予算がなかったのでしょう、たぶん(笑)。

住居の話ならいつも使っている講義資料を転用してチョイチョイと済ますことも可能でしたが、私を推薦してくれた友人の顔を潰すわけにはいかないということと、何が就職口につながるかわからないという淡い期待、それにイベントの担当の教授から、事前に何度も打ち合わせのお電話をいただいたりしていたので、「こりゃ手を抜けないぞ・・・」と思わされ、張り切って真新しいプレゼンまで作ってしまいました。

 ●教訓1:ゲスト講師に手抜きをされないためには、マメに連絡をとる事。

最初は何年か前に学会発表で使ったプレゼンを焼きなおして使うつもりで作業を始めたのに、気がついたら全ページまるまる作り直してしまい、丸一日以上かかっていました。おまけに60分のトークだというのに、あれよあれよと言う間にスライドが60枚。「時間オーバーなんてブザマな真似だけはするなよ。」と主人に釘をさされる始末です。

出番の直前までバタバタとプレゼンを直し、おまけにその場で変えてしまったりする私とは人種が違い、主人は1週間くらい前にはプレゼン作成を終え、時間を計って完璧なリハーサルを済ませておく人です。

とうとう前日の夜。時間が厳しいので、プレゼン中に余計な話をしないよう、「ノート」(下読み原稿)を作っておこうと、夜の12時過ぎまで頑張っておりましたが、眠くて途中でダウンしてしまい、時間切れ。偉そうに、学生には「必ず時間を計ってリハーサルをしてくること!」と厳しく言っているのですが、自分は結局、今回もまたリハーサルなしで講演に臨むこととなりました。

さて当日。せっかく途中まで作ってあった「ノート」も忘れて置いてきてしまい、主人の心配どおり、話はどんどんあちこちに伸びて、途中から飛ばしたものの、結局予定時間を15分も超えてしまいました。

でも、最初はザワザワザワザワしていた教室も、話が始まるとシ~ンとしてきたし、話にうなずいたり、こちらの問いかけに反応してくれる人達も結構出てきました。来た時には一番前の席でこっちにメンチ切ってた女の子も(眠たかっただけかな?)終わり頃にはニコニコしてくれていたところを見ると、話の内容はOKだったのだろうと思います。その後のプログラムも含めて、最終的にはイベントは予定の時間内に終了していました。

  ●教訓2:話の長そうな講師を呼ぶときには、余裕のあるプログラムを組むこと。

人前で喋るのが苦手だという人は多いと思いますが、これは慣れの問題です。アメリカのロータリークラブで準備無しの30分スピーチ(英語)という恐怖体験をさせられて以来、私にはたいがいの怖いものはなくなりました。

今ではもう厚かましくなって、1時間くらいまでの話(日本語)ならアドリブでもできると思います。JAZZのライブでは、リハーサルなしで初対面の人達と一緒にステージに上がるわけですし・・・。

これは一種の特技かもしれないので、これで食べていけたらこんなに良いことはないのですが、有名人でないとなかなかお座敷がかからないのが辛いところ。もし講師のドタキャンなどでピンチヒッターが必要だったらいつでも言ってくださいね!と宣伝したいくらいです。

残念ながらジョークを言うセンスもないし、物事を面白おかしく喋ることもできません。バイト先の非常勤仲間に吉本タレントの先生がいるんですが、話のうまいこと・・・羨ましい~!でも、ちっちゃなオバチャンが全身で「熱い語り」をするのが気の毒に見えるのか、大抵の方は一生懸命聞いてくださいます。(笑)

ちなみに一見「スピーチ上手」に見えるアメリカ人のアンケート調査でも、「この世で一番怖いもの」の1位が「死」、2位が「スピーチ」という調査結果が出ているほど、スピーチ嫌いな人は多いのです。でもアメリカでは「スピーチ教室」といったものが沢山あり、学校でも必修科目として教えるので、だんだんに恐怖を克服し、コツを身につけていかれるようです。

私も6週間くらいのスピーチ教室に通いましたが、本当にタメになりました。

  ●教訓3:急な講演の穴埋めには、アメリカ帰りの人間を探せ。(?)


講師の謝礼相場や渡し方に気を使われる方も多いようです。私も人に仕事をお願いするときはそこが一番神経をすり減らす点です。私の今までの経験では一回1~5万円でしたが、無名講師には2~3万が相場じゃないでしょうか。それこそ今は仕事もあまりないので、5千円でも行くと思いますけど(笑)

講師が医師とか弁護士とかいった「時給」の高い職種の人ですと、もっと高い相場だと思いますが、その方の年収の相場を想像し、その日額見当で考えれば無難なように思います。有名人になるとそれこそ天井知らずだろうと思いますが・・・(講演で忙しかった頃の野村サチヨさんは一回80万円以上だったとか!)

でも金額より、飲み物を用意するとか、出迎え・見送りをするとかいった気遣いが大事だと思います。今日も、謝礼の他に菓子折りまでご用意いただいて、いたく恐縮してしまいました。また頼まれたら喜んで行くと思います。

私も一度、音楽好きで知られる企業経営者の方を自分のクラスにゲストとしてお招きしたときに、その方の好きな指揮者のCDをBGMに流しておいたところ、いたく感激していただいたことがあります。レコードの少ない指揮者だったので、輸入盤を海外から取り寄せたりして頑張った甲斐があり、忙しい社長さんが、謝礼ゼロのボランティアに3時間もお付き合いくださいました!

  ●教訓4:謝礼予算が少ない場合は、招く側の誠意でカバー


ひとまず一段落、ホッとしました。さぁ、DIYに復帰!