アメリカの大学に進学?

息子が突然「海外の大学に行きたい」と言い出したので理由を尋ねると、12年生(高3)の時、クラブの最後の公式戦とセンター試験の時期が重なるから・・・とのこと。

バカモーン!海外の大学へ行くのにいったいどれくらいかかると思ってるんだ!

アメリカの場合、州立で年間100~150万円、私立で年間200~300万円、プラス生活費で、田舎で年間200万円~、都市部では400万円~x在籍年数=∞という感じになります。私達はいまだに留学で作った莫大な借金を返済しております。おまけに息子は小5からずっと私学です。大学まで行かせるとしたら、地元の国公立しか考えられません。

「試合に出たけりゃせいぜい早めに勉強しておくことだな!」とアホの尻を蹴っ飛ばしておきました。

しかし実際、彼の学校で高3までクラブを続けるのは、海外の大学に進学する人だけなのだそうです。彼の学校が加盟しているのはアジア・パシフィック地域のインターナショナルスクールのリーグなので、ほとんどの皆さんは日本の大学受験とは無関係なのです。

例えばアメリカの4年制大学へ進学を希望すると、SATというセンター試験のようなものがありますが、年間に何回も実施されていますので、一発勝負ではありません。ましてや、新幹線を止めなければならないような人生の一大事でもありません。

合否の判定も筆記試験の点数だけではなく、高校の成績、推薦状(書き手は担任教師でなくてもよい)、クラブやボランティアなどの活動実績、「何を勉強したいか」をアピールするエッセイ(小論文)、それに学費が払えるかどうかの経済状況などが総合的に審査されます。

3年生になってから詰め込んでも、どうにもなるものではないのです。

学力のみならず、学生の資質や個性が学校の内容と一致することが重要で、お見合いのようなものです。建築系の大学院などは作品がすべて、学力はほとんど関係ないと言ってよいでしょう。さらに入学者の人種バランスなどが考慮されるという、政治的な面もあります。(アジア系人種は成績優秀者が多いので、不利で~す)

「お見合い相手」の入学審査委員会のメンバーも毎年変わるので、年度による当たり外れも大きいです。しかしアメリカでは、高卒後すぐに進学する必要はなく、勉強したくなった時に大学へ行けばよいので、「受かったら行くわ~」「お金が貯まったら行くわ~」でもOKです。「奨学金もらえたら行くわ~」と、働きながら毎年応募し続けている人もいます。願書に「奨学金くれるなら入学、なければ辞退」などとザックバランな記入欄もあります。

奨学金の支給枠は、学校の財政状況によって毎年変わります。外国人留学生に学部レベルで奨学金を出す学校は非常に少ないと思いますが、引き続き鋭意調査中。

競争率の高い激戦校の場合、「どうやって目に留まるか」を工夫する必要も出てきます。「目に留まるエッセイ」のエピソードもそのうちご紹介します。