紙芝居の心得

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紙芝居を図書館でよく借りています。ついてきた注意書きに感動したので、原文のままご紹介します。いくら子供相手とはいえ、人前に立つ以上、このくらいの心構えは欲しいなぁという内容です。演技の勉強もせず気軽に俳優・女優に転身されているアイドルタレント、元アナウンサー、元女医さん(現役?)、その他の方々、声楽も基礎すらやっていないらしいと思われるミュージカル歌手の方々、そして売れっ子を出しさえすればよいと考えておられるらしいドラマやCMプロデューサーの方々、その他、作ること、演じることへの拘りを忘れた全ての人々にもう一度ここへ立ち返っていただきたい原点です。

<紙芝居のやり方>
(演じる前に必ずお読みください)

1.かならず舞台をお使いください。紙芝居は、動かない画と、文と、朗読とぬき方とをともなう実演とが、混然一体となって、幼児をたのしいドラマの世界に誘う視聴覚教材です。舞台へいれて演じないと、ぬき方の効果が全然期待できませんので、紙芝居の楽しさは半減してしまいます。

2.かならず下読みをしてください。作品のテーマ、語り口、登場人物の性格などをつかんではじめないと失敗します。

3.はじめる前に、画が順番どおり揃っているか、かならず確かめましょう。順番が狂っていて、途中でやり直しをすると、もりあげてきたドラマが中断されて、せっかく集中してきたこどもたちは、とまどってしまいます。

4.紙芝居では、ぬき方がたいへん重要です。単純な「ぬく」でも、無神経にぬいたのでは効果が半減します。「ぬく」という動きが、ドラマの進行、展開の上で重要な役割をしますので、水平に、静かに、心をこめてていねいにぬいてください。「ぬきながら」「はやくぬく」「線までぬいて」など、その部分の文章の総合する効果をよくのみこんで、指定どおり演じてください。

5.紙芝居は、演じ手のもちまえの声、調子で、せりふも、老人らしく、こどもらしく演じ分ける程度がよく、オーバーな声色は、かえって、動かない画面との調和を破って、ドラマを破綻させます。

6.その作品にふさわしい語り口、緩急のリズムがありますので、それにのるように演じてください。こどもたちの理解やよろこびをいっそう大きくすることでしょう。

童心社・刊)