断熱材は吸湿すべきか

仕事始めの第一弾は、我家の断熱材放浪記です。あれこれ混ぜて使ったら効果ナシなんて言わないでくださいね、身を切っての実験なんだから!

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最初に試したのがLIVE WOOLです。写真は上から見た断面です。内壁側にくっつけて固定するように縦桟をつけたりして苦心しています(笑)これはリサイクル紙をシート状にした商品。スポンジのような紙が層になっています。ある程度固く、自立するのでズリ落ちない。ただし切断や詰め込みはやや困難。

4年前の購入時にはフィンランド製でしたが、最近は国産化に成功しているそうです。エコ系断熱材は元々ツーバイフォー向けの商品が多く、在来工法の柱間隔に合わない場合もありますが、以下にご紹介するフワフワ系断熱材は、ある程度大きさも融通が利き、素人でも施工は超簡単でした。

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その後使ってみたのが、PETボトルのリサイクルで100%ポリエステル綿のパーフェクトバリア。こちらは柔らかくて、変形な場所にでも簡単にちぎって詰め込めます。天井裏の敷き詰めもラクラク。エコ系の断熱材の中ではかなり安いほうで、この商品を使っている自然派工務店も多いようです。昨年くらいから耳付になり、耳の部分が手で切れないのは面倒ですが、施工性もグンと上りました。まさに真っ白な布団綿で、赤ちゃんがくるまっている宣伝写真が魅力的ですが、寒い地方ではこれにくるまって休憩する職人さんもいるとか。

ただし、ポリエステルなので吸放湿性はゼロ。この点が良いのか悪いのか、ずっと疑問でした。メーカーの売り文句は「湿気を吸わないからグラスウールのように濡れてずり落ちることもない」。しかし私の4年後の結論によれば、湿気を吸ってくれないのはNGです。室内側が完璧に防湿処理されていて、外壁側には通気層が設けられている必要があります。つまり、新築ならいざ知らず、築20年超の古家リフォームには、かなり困難な課題でしょう。

左の写真を見てください。ポリエステル綿の表面には結露してカビが生えていました。室内側は防湿シートで覆ってありましたが、何かの間違いで湿気が入り込むこともあるということです。そして、湿気が入ったらこうなってしまう、ということです。施工が「完璧」であることが前提条件ですね。

そこでまた使用を再開したのが、羊毛70~80%のウール系断熱材「ウールブレス」です。(写真右)ウール系はここの他にも多数の会社が販売しており、純毛比率も値段も違います。これはまさにシェトランドウールのセーターのような手触りと匂いで、色も真っ白ではありません。でもやっぱり、いざというときに湿気を吸い取って調整してくれるのは心強い。実勢価格ではポリとほとんど差がなくなってきたので、今後は調湿性のあるウールで行くつもりです。リサイクルウールはわかりませんが、羊毛系製品全般の在庫はかなり安定してきているようです。

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写真の上の少し色がまだらで黄ばんでいるのが羊毛、下の真っ白なのがパーフェクトバリアです。遮音シートで防湿も兼ねますが、厚くて重い割に意外と破れ易いのがこの塩ビ系遮音シート。先ほどの結露とカビも、タッカー穴が破れて湿気が入った可能性が大です。

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もうひとつ、体や手が入らない狭い場所に利用したのが、古新聞をリサイクルした吹き込み式の断熱材。商品はいろいろあるようで、材工込価格になるので、値段もいろいろです。ウチではメーカーさんに無理を言って一袋だけ小売していただいてDIYしましたが、4つのメーカーに聞いて承知してくれたのは一社だけでしたが、おそらく一度きりのことでしょう。

ここでは階段の脇の隙間に棒で突きながら丹念に詰め込みました。厚みが30mmほどしかない隙間で通気層をとる余裕もないので、こいつの調湿性に賭けました。これはパラパラと落ちてくるので、今後開ける予定のある天井裏などにはお勧めしません。天井点検口の処理の仕方などが施工マニュアルにはありますが、あれで上手く行くわけがないです。でもこれは施工の煩雑さと工賃の問題さえ解決すれば、とても良い材料だと思うのですが・・・

そこいらじゅうに白い断熱材が丸出しで、まるで雪国に住んでいるような気分の我家です。