おばさんエレジー

友人の告別式に参列するため、
東京行きの夜行バスに乗りました。

関西フィル定期演奏会が9時過ぎにザ・シンフォニーホールで終わってから新大阪までの移動時間も考え、
出発の遅いツアーバスにしました。

前回よりさらに安い、片道3900円のトイレ無しエコノミーです。

平日はやはり空いており、2席独り占めできたので比較的ラクでした。

周りを見ると、出張らしい男性数名と、遊びに行くらしい若い女の子達が乗っています。

私は上着をブランケットのように肩からかけて膝を抱え、眠れる姿勢を模索していました。

こういうスタイルはジーンズとスニーカーで16歳くらいの少女がやってこそ絵になるのであって、
黒ずくめのスーツ姿の中年女性では、ちょっと哀れです。

さっき演奏会の会場で、この前教員公募に落ちた大学で理事をしている「社長さん」にバッタリ会いました。

「君、この前の件、選考委員のセンセに聞いたらなぁ、年齢があかんかった言うとったわ。
業績も面接もごっつう良かったらしぃんやけどな、同僚が若い人ばっかりやからな、やりにくい言うて…」

若いと言っても講師クラスですから30代でしょう。
その中で、こんな風に10代や20代の若者に混じって夜行バスで旅行できる人が何人いるでしょうか?

ま、そんなこと自慢にならないか…。

告別式には、関西からも何人か同級生達が来ますが、
夜行バスに乗って来る貧乏人は私だけです。

この調子だと、皆と一緒に新幹線や飛行機に乗れる日は一生来そうにもないです…

身体や精神は努力次第で若く保てますが、戸籍上の年齢はどうにも巻き戻せるものではありません。

若いうちに居場所を確保することができなかった者は、もう一生放浪するしかないのですね。

もう、ブルースを歌うくらいしか生きていくすべはないんでしょうか…

空いていると思ったバスも、京都駅から大勢乗ってきました。
ほとんどの席が埋まってしまいました!

でも私の隣には誰も来ませんでした。ホッ。

年配だから気を使ってもらったのでしょうか?

ちょっとだけ得した気分です…