目立たなくても良いデザイン

デザインの真価は実際に使ってみなければわからなかった、というお話です。

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今日はお弁当を作って遠足に行こうと娘と約束していましたが、朝からあいにくの雨。
「どうしても行く!」と泣くので、小雨の中、弁当一式を持ってしぶしぶ近所の公園に行きました。

ところが幸いポリカの屋根つきパーゴラと大きめのベンチ(デッキ?)があり、
小雨の中でも十分にピクニックができるようになっていました! 

桑野さんの「ひとり焼肉」「ひとりビアガーデン」ではありませんが、
ウチの娘も「ひとり遠足」をすっかり満喫して楽しんでいる様子でした(←雨なので空いていた)。

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こうしてよく見ると、ユーザーの需要を考えたよくできた公園デザインです。
幼児から老人まで居場所があるように考えられていますし、犬の散歩もしやすそうです。

舗装も備品も雨水がすぐに乾くような素材が選ばれており、地味ながら完成度が高い。
どこのどなたが設計したのか知りませんが、恐れ入りました!と脱帽しました。

デザイン志向で名の知れたコンサルにいたときは、モダンデザインな遊具を特注したりしていましたが、
皮肉なことに自分の子供が喜んで飛びつくのは、カラフルで遊び道具の沢山ついた既製品でした。

やっぱり遊具の専門家は子供の生態よく研究しておられます。

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建築と違ってランドスケープデザインは、写真一枚に入りきらない広い範囲を扱うものなので、
雑誌に載って目を引くようなものを作ろうと考え始めると必ずおかしなことになります。

オブジェや不必要な工作物に力を入れたがるのは、たいがい「写真うつり」を気にするためです。
コンペなどになるともう、「目立つためなら何でもする!」人も出てきます。

自然の風景もそうですが、実際にそこに立ってみないとその真価がわからないことがほとんど。
また、何年も何十年も経ってみて初めて、そのデザインの良さがわかることも多いのです。

反省。