エアコンの取り外し

トラックでアナウンスしながら回ってきた通りがかりの廃品回収業者のお兄ちゃんにエアコンの取り外しを頼みました。これが大当たり。1階と2階の計2台、運搬料・リサイクル料込みで12000円と、超破格値にもかかわらずとても良い仕事してくれました。リフォームが一気に加速しそうです。

古いエアコンの取り外しは、買い替えのときに電器店が無料でしてくれたら一番いいのですが、上位機種の購入時に限っているところが多く、またエアコン取り外しを機に後ろ壁を作り直したい場合には利用しにくいサービスです(←うちは家中の内壁を耐震補強のため張り替えています)。

大手家電量販店ジョーシンに問い合わせたところ、取り外し料が一台4000-5000円(設置状況・機種による)、リサイクル料が一台3600円、運搬料が一台525円とのこと。ヤマダもコジマもきっと同じようなものでしょう。

チラシ広告でよく見る「エアコン取り付け、取り外しサービス」でもリサイクル料は同じですが、取り外し+運搬料で2000円~5000円と幅広く、2台(一階、二階に各一台)の合計見積もりは14000円~17000円になりました。

作業の手間と危険性を考えればこのくらいは当然であり(←つい職人の立場に立ってしまう私)、14000円の見積もりを快諾し、「行く前に電話します」という曖昧不便なアポイントメントも了承して依頼していたのですが、約束の「一週間以内」が過ぎても一向に来てくれる気配がありません。

安すぎて嫌になったのかな・・・などと案じていたところへ、耳に大きなピアスを下げたお兄ちゃんが乗っている廃品回収トラックを見かけたわけです。私は車を横付けにして助手席の窓をあけ、声をかけました。

「エアコンの取り外しもしてもらえます?」
「あー、しますよー」
「まだ動いてるけど古~いエアコンが1階と2階に一台ずつあるんやけど、見積もりしてもらえます?」
「えーと、しますよー」
「じゃ、すぐ近くだから、ついて来て!」

・・・現場検証・・・

「うーん、全部込みで15000円くらいかなぁ・・・?」
(↑リサイクル料一覧表を睨み、自信なさげ)
「12000~13000円くらいでできないかな~と思ってたから、ちょっと考えさせてもらえます?」
(↑14000円の見積もりが脳裏に)
「会社に聞いたらもっと値引きできるかもしれませんけど」
「じゃ、まけてもらえそうだったらまた電話して!」
うちの電話番号も聞かず、お兄ちゃんはそのまま引き下がっていった。

・・・5分後。玄関にピンポ~ン。
「あの、会社に聞いてみたら12000円でもいいって言うんでー」
「ほんとに!じゃすぐお願いします」
「でも今日は道具持ってきてないんで、また後で来てもいいですかー」
「道具ならウチにいくらでもあるから、使って!」
(↑せっかく安い見積もりを逃すまいと必死の私)。

・・・2時間後、室内機も室外機も2階外壁に張り出させていた鉄製アングルも全部きれいに撤去し、ボルト穴もしっかりコーキングしてくれました。コーキングガンを常備している一般家庭も珍しいでしょうが、それを見つけて「コーキングしときましょか」と聞いてくれたお兄ちゃんもただのバイト運転手ではありません。

懸案だった2階外壁の室外機も、「ハシゴをかけられるかどうかで値段が変わってきます」などと言う電化業者がいる中、このお兄ちゃんは二階の窓枠にまたがって身を乗り出し、さっさと取り外してました。

廃品回収の仕事は初めてかもしれませんが、工務店か便利屋か何かでの仕事経験が豊富だったのでしょう。口の利き方は知らないし外見も「今時の若いモン」でしたが、器用で丁寧な仕事をする好青年でした。

12000円(税込)から2台分のリサイクル料その他の経費を引いたら、2時間の仕事の料金は3000円ポッチです。儲からない仕事です。このお兄ちゃんも大した給料はもらってないに違いありません。いい仕事してくれたし、チップでもあげようかなぁと思いかけましたが、「今後のこともあるかもしれないし、私も余裕ないんだし・・・」と心を鬼(ケチ)にしました。

「本当にご苦労様でした、ありがとう。プロに頼んでよかったわぁ」と頭を下げ、買い置きしてあった缶ジュース一本と、「車で開けんといてな」と不透明な袋に包んだ缶ビールを一本渡したところ、「ありがとうございます」とニッコリ笑って持って帰ってくれました。

ケチらないで1000円くらいチップあげたらよかったかなぁ・・・といつまでも悩んでいる私です。