可愛い子には旅・無人島編

高校生の愚息が、春休み早々、「無人島」キャンプに行ってきました。「現代文明を見つめなおす」というテーマの学校の授業でした。もちろん、選択科目。

徳島県沖の野々島とかいう、井戸がひとつだけ、食糧も電気もない、動物も住んでいない島。各自でテントを張り、カマドを作って焚き火をおこし、そこで4日間、生活したらしいです。文明と距離を置くことが目的なので、時計もカメラも持ち込み禁止。携帯電話だって・・・電波が届いてるわけない。(ふふふ、ざまみろ~)

テントを張るのに手間取っているうちに日が暮れてご飯が食べられなかったり、苦労して起こした火が雨ですぐに消えてしまったり、漆黒の闇の中で不安と戦いながら眠ったり・・・。いろいろ面白い体験をしていた様子が記された生徒達の感想文集が、今日、冬学期の成績表とともに学校から送られてきました。

キャンプに行く前の授業では、あれこれ事前学習をしていたようです。気象のこと、干潮、星座、食糧問題、調理の科学、火の科学、人間の健康について・・・etc. また道具や服装については、生き延びるために何を持っていくかを自分で考えるのも課題でした。買物につきあわされましたが、こんなことなら植木屋の道具を少しはとっとけばよかった・・・

そしてキャンプ後の課題は「現代文明について」という作文。「自然のありがたさ」を述べている子と「文明のありがたさ」を述べている子に分かれているあたりが面白い、というか社会の縮図的現象なのかな・・・。愚息は、火の大切さと人間の自信や不安といった感情について多くを語っておりました。運悪く暴風雨に合ったようですが、自分のテントが潰れなかったことでは自信をつけたようでした。

「4日間くらいお風呂に入らなくても平気だ」と意識革命した子もいたようです(!)。母親の有り難味について述べている子は多かったですが、愚息はその点には全く触れていませんでした(怒)。

さて、「文明から距離を置く」モードが消えないうちに、一週間ほど私の実家に送り出しました。あの、ダイヤル式黒電話と昭和40年代の扇風機の家です。先ほど、夜行バスで旅立ちました。親のいない留守宅に置いておくと一日中ゴロゴロ寝てるかインターネットで遊んでいるだけなので、パソコンも何も無い家に預かっていただくことにしたのです。(携帯も取り上げておくべきでしたか?)

5歳の妹(ボス)は、「お兄ちゃんだけズルイ!」とブリブリ文句を言いながらも、「おじいちゃん、おにいちゃんをよろしくおねがいね」と手紙を書いてことづけていました。