公務員宿舎の光と影

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入居を検討して見学してきた京都市N京区の国家公務員合同宿舎です。これでも結構人気で、今は写真の40平米の2DKタイプが1戸しか空室がないそうです。

昭和45年築。
お湯の出ないキッチン。
洗面所も小さなボウルがあるだけ。
風呂は懐かしいバランス釜。
浴槽はホーローに傷が入り、錆だらけ。
押入れの中はシミだらけ。
洗濯機はベランダ置き。
電気ブレーカもたったの4口。
窓には網戸もつけられない
・・・etc.

こんな時代物のアパート、今どき、民間ではなかなか見つからないのでは?家賃は1万2千円・・・確かに破格に安いけど、駅から徒歩20分、しかも自衛隊駐屯地の近くです。霞ヶ関で高級官僚してる友人の宿舎は、新宿区で家賃2万円台だとか。ずっと「公務員ズルイ!」と追及してましたが、もしもこんな感じの住居なら、羨ましくないかも・・・^^;

いやいや、もしかしたら京都の宿舎だけ、「古都の味わい」を保っているのかもしれません。東大から転勤してきた准教授の先生が、あまりの宿舎の落差↓に言葉を失ったと言ってましたから。彼が案内されたU治市の宿舎は、ゴキブリの糞が沢山おちているような朽ち果てきった部屋で、荷物を運んできた引越屋さんが「ホンマにここに運び込んでええんですか?」と確認したそうです。NATUREやSCIENCE(世界的な科学誌)にどんどん論文を発表しているような国際級研究者の教授や准教授がまさかそんなゴキブリ宿舎に住んでいるなんて、世間の方々はご存知ないでしょうね・・・

そのU治の宿舎(昭和40年築)はサスガに近々に建て替えされる予定だそうで、今は募集停止中。大学の近くの宿舎は、30~40平米の2DK、トイレ和式、それでも長~い順番待ちです。実は京都市内にはこの他、家賃2万3千円で平成9年築、65平米3LDKのマトモな宿舎もあるんですが、そこは超人気物件で、本学職員への割り当ても少なく、永遠に順番は回って来ないと言われています。負け惜しみじゃないけど、そこは治安も校区も悪いと評判の地域であり、最寄駅もマイナーで各駅オンリー、徒歩15分。マンションを買うなら絶対選ばない立地。それでも建物はかなりマシなので、皆さん満足していて退居されないそうです。

唯一空室の出そうなM市の大規模宿舎は、JR操車場に面し、電車が5分毎に爆音をたてて通過。駅からは徒歩20分で、他に土地の使い道がないから宿舎を建てたとしか思えない殺伐とした地域。建物も、大きな声では言いにくいですが、築15年とは信じられない古臭い設備に、相当な安普請造り。外に面した壁など、RC躯体に直に接着した内壁が熱でベコベコに剥れて倒れ掛かってきていました。敷金がない代わり、畳やクロスなどの内装は入居者が責任を持って直してから出る決まりなのですが、こんな構造では、いくらDIYリフォーマーの私でも、「責任」が持てたものではありません。隣の府営住宅のほうがはるかに立派。近くには店も何もないし、駅からの夜道はかなり危なそうです。だいたい、M市では職住近接にならず保育園問題も解決しないので、そこの入居は考えられません。

やっぱり、赤坂の議員宿舎が羨ましいぞ~